最新記事

イギリス

英スコットランド議会選は独立派が過半数 ジョンソン政権との対立必至

2021年5月10日(月)08時58分

5月8日に実施された英スコットランド議会選(定数129議席)で、スコットランド独立を目指す勢力が過半数を占めた。写真は7日、グラスゴーの開票所を訪問するSNPのスタージョン党首。代表撮影(2021年 ロイター)

8日に実施された英スコットランド議会選(定数129議席)で、スコットランド議会選は独立派が過半数、ジョンソン政権との対立必至スコットランド独立を目指す勢力が過半数を占めた。第1党となったのはスコットランド民族党(SNP)で、過半数にわずか1議席足りない64議席だったが、やはり独立志向のスコットランド緑の党が8議席を獲得した。

SNPは独立の是非を問う2回目の住民投票実施を公約。スコットランド緑の党もこれを支持している。ただジョンソン英首相は、2014年に行われて独立反対が多数を占めた1回目の住民投票で問題は決着したとの理由から2回目の投票を拒否しており、今後SNPなどとの対立が起きるのは確実だ。

今回の議会選結果を受け、SNPのスタージョン党首は、新型コロナウイルスのパンデミック収束後に2回目の住民投票を行う方針を改めて表明し、ジョンソン氏が「民意」を無視しようとすれば、論外でもってのほかだと早速けん制球を投じた。

一方ジョンソン氏はデーリー・テレグラフ紙に対して「現在の状況下での住民投票は無責任かつ無謀だ」と主張。ジャック・スコットランド相は、コロナ危機とワクチン接種の取り組みを優先すべきだとの考えを示した。

SNPなどとジョンソン政権の論争が政治的に解決するとの期待は乏しく、最終的には裁判所に争いが持ち込まれる公算が大きい。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

仏ケリング、成長回復に店舗網縮小と「グッチ」依存低

ワールド

米、台湾への7億ドル相当の防空ミサイルシステム売却

ワールド

日中局長協議、反論し適切な対応強く求めた=官房長官

ワールド

マスク氏、ホワイトハウス夕食会に出席 トランプ氏と
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 10
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中