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死の間際の「走馬灯」は実在する? 世界初の脳波詳細記録と臨死体験の研究史
英サウサンプトン大では2008年から、「The AWARE」と呼ばれる臨死体験の大規模な調査プロジェクトが開始されています。2014年の中間報告では、2060名の心停止患者のうち330名が蘇生し、その中の140名(約40%)が心停止中に意識があったと記されています。
走馬灯体験をしやすい人の4つの特徴
臨死体験は、モルヒネ様の作用を持つエンドルフィンが分泌されて起こる、脳の酸素濃度の低下や二酸化炭素濃度の上昇によって幻覚を見るなどと説明されます。
死の間際に走馬灯のように昔の記憶が見えることは海外でも広く認識されており、1928年にイギリスのサミュエル・アレクサンダー・キニア・ウィルソンが「パノラマ記憶」と名付けました。
走馬灯体験を200人以上から聞き取り調査したのは、アメリカの精神科医ラッセル・ノイス・ジュニアと臨床心理学者ロイ・クレッティです。二人は走馬灯体験をしやすい人の特徴を①自殺などの故意ではなく、突然、死の危険に直面する、②とくに溺死や自動車事故、転落などの死の危機に瀕する、③20歳以下、④危機的状況で自分はもう死ぬのだと確信する、とまとめました。
走馬灯体験が起こる原因は、人は死の危険に直面すると、助かりたい一心でなんとか助かる方法を脳から引き出そうとするために記憶が映像的に一気によみがえる、アドレナリンが分泌されて脳に変化をもたらして記憶をよみがえらせるなどと考えられています。この臨死体験の間は、次々に映像が切り替わり、自分は第三者的に映像を見つめます。思考速度も加速されて時間の長さが引き伸ばされたようになり、多幸感も伴うと言います。
てんかん発作の脳波検査中、偶然記録される
今回の成果は、バンクーバーを拠点にする研究チームが、2016年に世界で初めて人が死ぬ瞬間の脳の状態を詳細に記録できたことが発端です。
人が対象となる研究や臨床研究を行う場合は、対象となる人の尊厳や人権を尊重するために、研究実施施設に設置された倫理委員会によって倫理的側面や実施の妥当性が審議されます。もし、「瀕死の患者に測定器具をつけて、死の瞬間の脳波を詳細に測定したい」と研究申請したとしても、倫理委員会は通すことは難しいでしょう。
研究論文の責任筆者で、現在は米ルイビル大学に籍を置く神経内科医アジマル・ゼマール博士は、「もともとはてんかん発作のある87歳男性の脳波検査が目的だったが、検査中に心臓発作で突然死したため、予期せず人が死ぬときの脳の状態が記録された」と説明します。
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