
NYで生きる!ワーキングマザーの視点
仏教は今を生きる知恵~大愚和尚がNYで語る慈悲と調和

大愚和尚の一問一答お悩み相談でYoutuberとしても有名な大愚和尚さん。5月に欧米を回り、ニューヨークでも大愚道場を開くということで、Youtubeで拝見し大愚和尚さんのファンである私は、友人の縁もあり、念願の取材の機会を得ることができた。
「どうしたらお坊さんにならなくて済むか」、それが私の子ども時代の命題でした。朝早くからの作務、厳格なしきたりや伝統の中で、お寺を出て誰も知らないところへ行きたい。私はただ、自由になりたかったんです。
留学経験はなかったけれど、英語に強い憧れを抱いていました。中学生の頃、ニューホライズンという教科書に載っていた「Hello Ken」「Hello Mike」という会話と、挿絵として描かれていたロンドンの街並みに強く惹かれ、「ここに行きたい」と思ったのを覚えています。
中学から本気で英語の勉強をはじめ、先生に頼んで教科書を朗読していただき、録音してもらったカセットテープを何度も聞いては練習しました。アルファベットはPとかQとか、見た目もカワイイ文字な上に、たった26文字しかない。漢字に比べたら、ずいぶん簡単な言語だと当時は思い込んでいました。
思えば、小さい頃から漢文を見て育ちました。お経を読むために「100回読め」「1000回読め」と言われ、何度も繰り返して暗唱していた記憶があります。時には母が代わりに叱られるほど厳しい環境で、自然と怒られながら覚えていった。その経験があったからこそ、英語の学習も案外すんなり入っていけたのかもしれません。
1973年から愛知県に所在する中部大学は、米国のオハイオ大学と教育連携を行って、そこから来日したミラー先生と出会いました。お寺を案内していたとき、先生に「将来何になりたい?」と聞かれ、「外国へ行きたい」と答えました。すると彼はこう言ったのです。「やりたいことがないなら、まず仏教を学んでごらん。仏教を学べば、そこからいくらでも道は広がるよ」。
それから仏教の大学に進学し、ご本山での修行にも参加しました。ただ、まだどこかで「お坊さんにはなりたくない」という気持ちを捨てきれなかったのも事実です。だからこそ、私はビジネスの世界へ進みました。

- ベイリー弘恵
NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。
NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com