最新記事
荒川河畔の「原住民」(28)

「スマホはある」「四季を体験したい」新人ホームレスが最も不便に思うことは?

2025年4月26日(土)18時45分
文・写真:趙海成
ホームレス男性

宇海くん(左、仮名)が「師匠」と称する征一郎さん(右、仮名)との記念写真

<大阪から上京し、ホームレスの「師匠」を訪ねてきた男性。彼は「新人」として、一体どのようなホームレス生活を送っているのか。在日中国人ジャーナリスト趙海成氏による連載ルポ第28話>

この1年間、雨が降らない限り毎週月曜日に、食料品を持って荒川上流の河川敷へホームレスの征一郎さんを訪ねに行くようにしている。

今年の3月、快晴の朝。いつもと同じく 9時にまずコンビニに行き、コーヒーやサンドイッチなどを買い、自転車で荒川上流へ向かった。

※征一郎さんの参考記事(第19話):「ホームレスになることが夢だった」日本人男性が、本当にホームレスになった

征一郎さんのテントの前に見知らぬ人

征一郎さんが住む橋脚の下に到着すると、征一郎さんの姿は見えず、テントの近くに見知らぬ人が立っていた。私はおかしいと思った。

征一郎さんの話によると、以前、奇妙な若者が彼のテントの近くをぶらぶらし、雑草に火をつけていたこともあるらしい。

いま目の前にいる人は、30代に見える。もしかして......。

余計なことは考えないで、急いで自転車を押して向かった。

その若者に「おはようございます!」と挨拶してから、率直にこう尋ねた。

「あなたは誰ですか。ここで何をしているのですか」

彼は答えた。

「僕は大阪から来たホームレスの新人で、先輩である征一郎さんの弟子になるために昨日ここに来ました。今、征一郎さんは寝ているので、僕は起きるのを待っているんです」

その時、征一郎さんのテントから10メートルほど離れたところに、小さなテントが増えていることに気づいた。なるほど。これで安心だ。

若者の名前は「宇海」といい、東京でホームレスになるために自ら付けた名前だと教えてくれた。

※宇海くんの参考記事(第27話):「今がチャンス」ホームレスになるため、40歳を過ぎて大阪から上京した男性

事件
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、米国のイラン介入に備え厳戒態勢=関係筋

ワールド

北朝鮮の金与正氏、ドローン飛来で韓国に調査要求

ワールド

米ミネアポリスで数万人デモ、移民当局職員による女性

ワールド

米、来週にもベネズエラ制裁さらに解除=ベセント氏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 7
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中