最新記事

英語

寝たふりする私の横で、私の英語を真似して笑うネイティブたち...その真意に後から気付いた

2022年7月1日(金)18時28分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
多民族の学生グループ

andresr-iStock

<アメリカの高校に留学した著者が遭遇したのは、現地の友人たちが自分の発音を真似して盛り上がる現場。気付かれないよう涙を流した彼女だが──>

中学高校で6年間英語を学んでいるはずなのに、「英語が話せない」という人は多い。英語コンプレックスという国民性からか、英語にまつわる新刊はいまも毎月のように刊行され、英会話の講座もさかん。それでも、英語が話せず、英語に振り回される......。

ニューヨークが教えてくれた "私だけ"の英語──"あなたの英語"だから、価値がある』(CCCメディアハウス)は、「ニューヨークの魔法」シリーズと『奥さまはニューヨーカー』シリーズの著者が、英語と向き合ってきた日々を描いている。ともに、英語入りのロングセラーだ。

著者は、エッセイストで作家の岡田光世氏。岡田氏は、高校、大学、大学院とアメリカに留学し、語学力を磨いてきたが、「中学英語をきちんと自分のものにすれば、必ず話せるようになる」と言う。その岡田氏は、どんなふうに英語を学び、挫折を乗り越え、モノにし、活かし、人と心を交わしてきたか。そして、取材を重ね、見つけた大切なこととは?

ここでは、岡田氏が自らの経験から得た、自分の英語に自信が持てるようになるテクニックと考え方を、『ニューヨークが教えてくれた "私だけ"の英語』から全3回にわたって抜粋して紹介する。今回は、その第2回。
第1回:「受験英語だから英語が話せない」は大間違い 中学英語をしっかりモノにすれば必ず話せる

話せないのに、アメリカ人より文法ができる

「そ、それは、もう少し君の英語がうまくなってから......」

一番レベルの高い数学のクラスを取りたい、とゆずらない私に、ガイダンス・カウンセラーは目を丸くして、そう言った。

渡米して数日後、履修科目を決めるために、初めてカウンセラーと会った時のことだ。私は片言の英語で、「数学は、一番レベルの高いクラスを取りたい」と伝えた。

渡米前に日本で行われた留学オリエンテーションで、日本人は数学ができるから、上級でも大丈夫、と言われていたからだ。

Are you out of your mind?
君はいったい何を考えているんだ? その英語力で。

と言いはしなかったが、カウンセラーは反対した。英語(国語)もレベルの高いクラスを取りたいと伝えると、彼はさらに目を白黒させる。

それでも私は、自分の意思で決めた。数学のクラスは、すでに日本の高校で学んでいた内容だったので、成績は上位だった。

レベルの高い英語のクラスは、宿題に出される読書量が多くて大変だった。シェイクスピア劇を授業で観に行った時は、ぐっすり居眠りした。もっとも、クラスメートにとってもシェイクスピアは、熟睡タイムだったらしい。

ニューヨークが教えてくれた "私だけ"の英語
"あなたの英語"だから、価値がある

 著者:岡田光世
 出版社:CCCメディアハウス
 (※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エアビー、第1四半期は増収増益 見通し期待外れで株

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、金利見通しを巡り 円は3日

ビジネス

米国株式市場=ダウ6連騰、支援的な金融政策に期待

ビジネス

EXCLUSIVE-米検察、テスラを詐欺の疑いで調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    習近平が5年ぶり欧州訪問も「地政学的な緊張」は増すばかり

  • 4

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 5

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 6

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 7

    迫り来る「巨大竜巻」から逃げる家族が奇跡的に救出…

  • 8

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中