最新記事

子育て

部屋を「片付けなさい」はNG 子供の自己肯定感を伸ばす、正しい「声かけ」の方法

2022年1月21日(金)17時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
片付け中の子供

kate_sept2004-iStock

<自己肯定感は、不確かな時代を幸せに生き抜くための唯一にして、最強の武器になりうる。親がその武器を子どもに授けるために、できることは何か>

多くの親は、子育てに関するさまざまな情報を集めては、何が正しいのかと頭を悩ませているはずだ。子育てに正解はないとはいえ、かつては正しいとされていた情報が知らぬ間にアップデートされていることも少なくない。時代によって求められる能力も変わってきている。そんな中で、親ができるのは、子どもに普遍的な生きる力を身につけさせることだろう。

幼い子どもが、一緒に過ごす時間の長い大人から受ける影響は強大だ。親が発する言葉の一つひとつが、どんな習い事や教育よりも子どもの能力を伸ばすことにつながるとしたら──。

まずは、親であるあなた自身が変わることが一番の特効薬になるかもしれない。親が変われば、子どもも変わる。そのために必要なのは、子どもだけでなく親自身の「自己肯定感」を高めることだと、『自己肯定感が高まる声かけ』(CCCメディアハウス)の著者、熱海康太は書いている。

とはいえ、凝り固まった大人が変わるのは難しいのではないだろうか。そんな問いに熱海は、「声をかけられたお子さんは、自発的に行動を変えたくなります。行動が変われば、思考も変わります。それだけではありません。声をかけた親御さん本人の思考も変わります。声かけの声を最初に聴くのは自分自身だからです」と説く。

発する言葉を意識的に変えていくことで、大人のマインドも変えていく力があるという。子どもの幸せのために、親ができることを教えてもらった。

自己肯定感とは、「達成力」「仲間力」「感情力」である

熱海は、現役の小学校教諭だ。実際の教育現場でも「自己肯定感が大切というけれど、それが何かよくわからない」「自己肯定感を身につける方法がわからない」という悩みが多く聞かれるという。

そもそも自己肯定感とは、「ありのままの自分に満足し、価値ある存在として受け入れる力」のことだ。なんとなく不安や怯えを感じる状況にあっても、なかなか行動できなかったり決断できなかったりするのは、自己肯定感の低さが影響している場合が多い。自己肯定感は意思決定をしたり、最初の一歩を踏み出すためのエネルギーにもなっているからだ。

では、その自己肯定感は、どうやって育てられるのか。
熱海は、自己肯定感を「達成力」「仲間力」「感情力」の3つから身につけられるという。「達成力」は、物事を粘り強く続けて目標を達成する力。「仲間力」は、周りの人と協力する力。「感情力」は、自分の気持ちをコントロールする力のことだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インフレに忍耐強く対応、年末まで利下げない可能性=

ワールド

NATO、ウクライナ防空強化に一段の取り組み=事務

ビジネス

米3月中古住宅販売、前月比4.3%減の419万戸 

ビジネス

米新規失業保険申請、21万2000件と横ばい 労働
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中