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思い出として死者のタトゥーを残しませんか

Ohio Morticians Are Preserving Tattoos Of The Deceased

2019年9月12日(木)15時05分
K・ソア・ジェンセン

遺体のタトゥーを保存したのは、セーブ・マイ・インク・フォーエバーが初めてではない。20世紀前半、日本の医学博士で梅毒が引き起こす皮膚の病変についての研究を行っていた福士政一が、刺青(タトゥー)に覆われた部分の皮膚が病変に侵されないことを発見。それから福士は、遺体の皮膚の刺青部分を保存するようになった。第2次大戦の頃までにはその数は2000点にのぼった。多くが戦時中に失われたが、息子の福士勝成が標本を引き継ぎ、現在は東京大学の病理標本室に保管されている。

著名なタトゥー・アーティストであるエド・ハーディーの回顧録『夢を着よう/タトゥーと私の人生』に勝成の話が出てくる。それによれば彼は、慈善病院を訪れて患者に刺青を完成させる費用の負担を申し出て、彼らが望めば死後に遺体の皮膚を切り取って保存することを約束して回っていたという。

(翻訳:森美歩)

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