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歴史的大噴火から1年 ハワイ住民にとっての「ニューノーマル」

2019年4月9日(火)10時40分

精神的な課題

キャリー・フィッシャーさん(59)は、自身と夫のハラルドさんにとって、ほぼ被害を受けなかった自宅に戻って生活できるのは喜ばしいことだと話す。新たな噴火について心配はしていないという。

「おかしなことだけど、次の噴火をあまり心配していない。一度それを経験したから。噴火が起きる前には警告がたくさん出ていた」

一番の課題は精神的なことだとフィッシャーさんは言う。自宅周辺を囲む固まった溶岩のことはなるべく考えないようにしている。「簡単に出られないと考えないようにしている」

噴火により、約22カ所の割れ目から溶岩が噴き出し、最大6メートルの高さの溶岩の壁ができた。最大で高さ15メートルの噴石丘もあちこちに出現した。雨が降ると、まだ冷却中の溶岩から水蒸気の煙が上がる。

イングリッド・ウェブさん(34)は、夫と4人の子どもと共に6ヘクタールの有機農場に戻れてうれしいと話す。作物にとって最適な気候と土壌をもたらすイースト・リフト・ゾーンでの生活を他で再現できる場所は思いつかないという。

ウェブさんによると、主な悩みの種は仮設道路でしかコミュニティーにアクセスできないことだ。今のところ、住民しかこの道路を利用できない。修理工も農場労働者も使えない。

だが、それでも戻る価値はあるとウェブさんは言う。

「これが私たちの未来。子どもたちの未来。農場は子どもたちの大学進学資金のためよ」

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)

[ロイター]


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