最新記事

ブラジル産不衛生肉、中国やEUが輸入停止へ

2017年3月21日(火)13時16分

3月20日、ブラジルの食肉加工業者が検査官に賄賂を贈り、傷んだ肉を出荷していた問題は、中国と欧州連合(EU)、韓国、チリがブラジル産食肉の輸入停止に踏み切り、影響が拡大している。写真は獣医師によって分析される肉。リオデジャネイロで撮影(2017年 ロイター/Ricardo Moraes)

ブラジルの食肉加工業者が検査官に賄賂を贈り、傷んだ肉を出荷していた問題は20日、中国と欧州連合(EU)、韓国、チリがブラジル産食肉の輸入停止に踏み切り、影響が拡大している。ブラジルは世界最大の牛肉と鶏肉の輸出国。

ブラジル警察は17日、検査官に賄賂を贈ってサルモネラ菌に汚染された加工肉などを輸出したとして、大手のBRFとJBSを含む食肉加工業者十数社を摘発した。

食肉加工業者は不正を否定しており、当局によるとこれまでにこの問題に絡んで死者が出たり体調を崩した例は見つかっていない。

中国は20日、予防措置としてブラジル産の全食肉製品の輸入を停止した。ブラジルの昨年の食肉製品輸出は139億ドルで、その3分の1近くが中国向け。

またブラジル牛肉生産業者協会(ABPA)によると、EUはブラジルの食肉加工施設4カ所からの輸入を停止した。

韓国の農林畜産食品省はブラジル産鶏肉の輸入検査を強化し、BRFの製造した鶏肉の販売を一時的に禁止すると発表した。韓国の昨年の鶏肉輸入は10万7400トン。その80%強がブラジル産で、BRFが全体の半分程度を占めた。

チリ農業省も20日、ブラジル産の全ての食肉製品の輸入を一時停止すると発表した。

[サンパウロ/北京 20日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報

ビジネス

米中堅銀、年内の業績振るわず 利払い増が圧迫=アナ

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中