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日韓関係

「大統領弾劾」の余波が日韓の雪解けを直撃する

2017年1月19日(木)11時00分
J・バークシャー・ミラー(本誌コラムニスト)

 同様に、朴の後任者がポピュリスト的な政策を推し進め、日米との前向きな関係に水を差す恐れもある。左派系の大物大統領候補者、李在明(イ・ジェミョン)城南市長は、韓国の政治エリートや多国籍企業や利益集団を攻撃。米韓同盟の必要性や、日米両国と共同で北朝鮮抑止に取り組むことの重要性にも批判的だ。

 日本政府は今回の少女像をめぐるいさかいが安全保障問題に飛び火するのを避けたがっている。それでも譲れない一線は示すべきだ。自国の外交官が韓国のデモ隊の標的にされるのに手をこまねいていてはならない。日本は朴政権が設立した元慰安婦支援財団への拠出金を約束し、既に履行済みなのだから、なおさらだ。

【参考記事】慰安婦問題合意から1年 日韓合意はパク大統領と共に消え去る?

 とはいえ早期解決の見込みは薄い。日米韓の安全保障協力は融合を目指す分野の中では最も論争が少なく合理的だが、それでも韓国は及び腰になっているようだ。12月は日米との対潜水艦戦闘の合同演習への参加を拒否。この演習も北朝鮮(と中国)の脅威に対する地域の抑止力と結束の重要な要素だった。しかし韓国は、国内の政情不安を考慮すれば、日本との安全保障協力をペースダウンすべきではないかとの考えを表明した。

 こうした状況は非常に不幸であり、韓国の戦略地政学的立場を弱めるだけだ。韓国は政治的勇気を奮い起こして約束を守り、再び日本との関係改善に取り組まなければならない。

[2017年1月24日号掲載]

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