最新記事

自動車

トランプ、ついにトヨタを標的に 「メキシコで製造なら高関税」

2017年1月6日(金)11時02分

1月5日、トランプ氏はトヨタ自動車に対し、米市場向けの自動車をメキシコで製造するなら、多額の税金をかけると警告した。写真は同社ロゴ。昨年2月撮影(2016年 ロイター/Mal Langsdon)

 トランプ次期米大統領は5日、ツイッターへの投稿でトヨタ自動車<7203.T>に対し、米国市場向けの自動車をメキシコの工場で生産するなら、多額の税金をかけると警告した。

 同氏は「トヨタ自動車はメキシコのバハ(バハ・カリフォルニア州)に米国向けカローラの新工場を建設するそうだが、とんでもない。米国に工場を建設するか、さもなければ多額の国境税を支払ってもらう」と述べた。

 トランプ氏はこれまでフォード・モーターなど米自動車大手を含む米企業によるメキシコでの工場建設計画を批判してきたが、外資系自動車メーカーが標的にされたのは初めて。

 トヨタは2015年4月にメキシコのグアナファト州での工場建設計画を発表している。トランプ氏の投稿はバハ・カリフォルニア州にある既存の生産拠点とグアナファト州での新工場を混同したとみられる。

 グアナファト州の新工場では主力小型車カローラの生産を2019年に開始する計画。

 トヨタの広報担当者は「消費者や自動車業界にとって最善の利益となるよう、当社としてトランプ次期政権と協力していきたい」とのコメントを発表した。

 トランプ氏の投稿を受け、トヨタの米国預託証券(ADR)は0.5%安の120.45ドルとなった。

 トランプ氏のツイートを前にトヨタの豊田章男社長は5日、メキシコでの新工場建設計画について、米次期大統領の政策や決断などを見ながら判断していくと述べ、現時点では変更はないとの見解を示していた。

 一方、フォードは今週初め、トランプ氏の批判を受けてメキシコでの新工場建設計画(16億ドル規模)を撤回し、ミシガン州の工場に7億ドルを投資し700人を新規雇用すると発表。ただ、小型車の一部はミシガン州からメキシコの既存工場へ生産を移管する。

 トランプ氏はまた、ゼネラル・モーターズがメキシコで生産する米市場向け自動車に関税を課す可能性があると表明している。

 トヨタは米国の8州で10の工場を展開しており、米国内で年間200万台以上を生産している。

[ワシントン 5日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米指標やFRB高官発言受け

ビジネス

ネットフリックス、第1四半期加入者が大幅増 売上高

ビジネス

米国株式市場=ほぼ横ばい、経済指標と企業決算に注目

ビジネス

USスチール買収計画の審査、通常通り実施へ=米NE
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中