最新記事

ロシア

プーチン謎の娘婿がロシア富豪番付で4位に浮上

2016年8月26日(金)15時47分
ダミアン・シャルコフ

Sergei Karpukhin-REUTERS

<謎のベールに包まれているプーチンの2人の娘。その二女の夫とされるキリル・シャマロフの一族は、プーチン政権に近い石油化学企業の経営幹部として多額の利益を得ていたことがわかった> (写真はプーチンの娘婿とされるキリル・シャマロフ)

 プーチン大統領の娘婿と言われる男性は、ロシアでもトップクラスの富豪一族の1人――経済誌フォーブス(ロシア版)の記事が報じた。

 プーチンには2人の娘がいるが、どちらも子どもの時以降、プーチンと一緒に公の場に出てきたことはなく、クレムリンは、2人が何をしていて、どんな外見かについても公表したことはない。

【参考記事】秘密のベールに包まれたプーチンの娘を追え!

 ロイター通信など複数メディアの調べによると、カテリーナ・チホノワと名乗る女性がプーチンの二女で、その配偶者とされるキリル・シャマロフはプーチンの義理の息子にあたる。

結婚で潤った一族

 キリルの資産は、カテリーナと結婚してから増え始めたと、ロイターは報じる。それだけでなく、フォーブスによると、シャマロフの一族全体がこの結婚から利益を得たという。

 フォーブスによる富豪一族のランキングで、シャマロフ一族は4位に入った。キリルは石油化学大手「シブール」の取締役で同社株の21.3%を所有し、その評価額は23億ドルと見積もられる。またキリルの父ニコライの資産は1億ドルとみられている。

【参考記事】ネムツォフ暗殺?でロシア野党は壊滅状態

 メディアから「プーチンの義理の息子」と名指しされて以降、ロシア野党はキリルのビジネス関連の取引を監視している。野党政治家で著名ブロガーのアレクセイ・ナワルニーは、今年2月にプーチンを汚職容疑で告発した。昨年シブールが政府から17億5000万ドルの投資を受けたことが利益供与にあたるのではないかというものだ。

 モスクワの裁判所はこの告発について、ロシア憲法にもとづく大統領特権があるとして棄却した。

 プーチンとホッケーや柔道の練習を共にする側近、ローテンバーグ一族はロシアで2番目の富豪。トップは、複数のエネルギー企業を所有する起業家ミハイル・グツェリエフの一族だ。

 フォーブスからの取材に対してシブールは、「投資家、株主、経営幹部の私生活についてはコメントしない」と回答している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国非製造業PMI、4月は51.2 拡大ペース鈍化

ワールド

原油先物は小幅続落、ガザ停戦協議受け 米FOMCに

ビジネス

仏ロクシタン、株式を非公開化 18億米ドルで香港上

ワールド

インドネシアのルアン火山が再び噴火、警戒最高レベル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中