海外の高級車市場戦略描く中国の吉利、ボルボとの協業軸に
ボルボとの協業拠点
世界上位5位に入る自動車輸出大国である近隣国の日本や韓国と異なり、中国は自動車輸出で世界トップ20にも入っていない。業界団体のデータによると、中国の2015年の乗用車輸出台数は50万台にも満たない。
吉利の欧米市場攻略に向けた戦略の中心となるのが、スウェーデンの技術センター「チャイナ・ユーロ・ビークル・テクノロジー(CEVT)」だ。新ボルボや吉利の小型車で利用されるプラットホームを構築するため、13年に設けられた。
ボルボは18日、共通のプラットホームを利用した初の製品となる2つの新コンセプトカーを発表する。また、複数の関係筋がこれまでにロイターに明らかにしたところによると、吉利は同じプラットホームをベースにした新ブランド(コードネームは「L」)を来年発売する。
CEVTのトップであるマッツ・ファガーハグ氏は「自身がGMに在籍していた時でさえ、これほど積極的な成長プランを経験したことはない」と語る。
ヨーテボリにあるCEVTは1700人のスタッフを抱え、吉利が年間で数億ドル投資している。
ファガーハグ氏は、吉利がフォルクスワーゲンと同じように完全な幅広いブランドを取りそろえるには欧州での生産が将来的なステップになると指摘する。
ホーベリー氏はブランドに関する言及は避けた。