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ユーロ圏

イギリス人、故郷へ帰る

2011年2月16日(水)16時24分
ウィリアム・アンダーヒル(ロンドン支局長)

 ユーロ高と時を同じくしてスペインの不動産市場が崩壊したため、状況はさらに悪化した。地中海沿いの住宅価格は06年の最高値から40%以上下落した。

 これを「八方塞がり」と表現するのは、地中海沿いで暮らす年金生活者で、イギリスの高齢者支援団体エイジコンサーンで働くアイリーン・ドライだ。「スペインの持ち家を売却して帰国したくても、なかなか家が売れない」。スペインにとどまるなら支出を削らざるを得ない。「電気代から暖房費、電話代まで見直す必要がある」

 それでも不動産仲介業者は強気だ。スペイン南部では販売が上向いているという声もある。スペインで住宅を新規に購入するヨーロッパ人の多くは、非ユーロ圏に住む。中には、今も経済が堅調で、石油マネーで自国通貨を支えている国もある。どこかって? 北海油田で潤うノルウェーだ。

[2011年2月 2日号掲載]

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