最新記事

対談

ツイッターが変える日中の未来(3)

2010年11月5日(金)13時15分

津田:話は変わりますが、収入はどうしてらっしゃるんですか?

安替:雑誌や新聞にコラムや記事を書くことで得ています。twibase.comのトップ20位に入る人たちは、基本的にみなきちんと仕事をしている人たちです。

津田:私も基本的にはオールドメディアに記事を書いたり、講演をしたりして収入を得ています。ツイッターから収入を得ることができれば理想なのですが......。

安替:その方法はまだ誰も見つけていない(笑)。

津田:今後、個人メディア・行動型メディアに重点が移ると、そこに金銭的価値も生まれる。それに期待していろいろな実験をしているんです。お金を稼ぐためにツイッターを使うのは本末転倒だと思います。でもツイッターを使うことで、ある程度の安定的な収入が得られればそれに越したことはない。たとえそれが月10万円でもいいんです。

安替:僕はそうは思わない。ツイッターを利用することで増えるのは収入でなく人間関係です。個人の力が大きくなって、伝統メディアが目を付け、一緒に仕事をするようになる。それがツイッターを利用したビジネスモデルです。ツイッターの機能はアジェンダ・セッティング(議論の枠組みの再構築)と情報を広げる力。お金をもうける力はアメリカを見ても実際にはありません。そもそもツイッターで月10万円を稼げる人は、他の分野なら100万円は稼げますよ! ツイッターはネットワークと割り切るべきです。

津田:伝統メディアはどこまで続くと考えていますか?

安替:たとえばアメリカでは、インターネットの衝撃をもろに受けたのは新聞・雑誌の活字メディアでテレビはむしろその影響力を強めています。CNNなどケーブルテレビはもちろん、最近では3大ネットに加えて保守系のFOXテレビも力を伸ばしている。

津田:日本の状況とかなり違いますね。日本のテレビはネットの取り込みを拒否したことで相当落ち込んでいます。

安替:インターネットが一番力を発揮できるのは、実はローカルなメディアとしてなんです。アメリカでは地方ごとにローカルなネットメディアが結構発達しています。インターネットがテレビに勝てないのは、テレビの敷居が高過ぎるから。カメラ、照明、スタジオ設備......新聞はネットに簡単にコピーされてしまいますが、テレビはそれができない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

バークシャー第1四半期、現金保有は過去最高 山火事

ビジネス

バフェット氏、トランプ関税批判 日本の5大商社株「

ビジネス

バフェット氏、バークシャーCEOを年末に退任 後任

ビジネス

アングル:バフェット後も文化維持できるか、バークシ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見...「ペットとの温かい絆」とは言えない事情が
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    「すごく変な臭い」「顔がある」道端で発見した「謎…
  • 8
    「2025年7月5日天体衝突説」拡散で意識に変化? JAX…
  • 9
    なぜ運動で寿命が延びるのか?...ホルミシスと「タン…
  • 10
    海に「大量のマイクロプラスチック」が存在すること…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中