最新記事
宇宙

「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る異常な恒星の姿

Astronomers Discover Pair of Super-Rare 'Two-Faced' Stars

2025年4月18日(金)11時50分
スー・キム
極めて珍しい「2つの顔の恒星」、磁場の力でできる奇跡の大気構造(写真はイメージです) NASA-Unsplash

極めて珍しい「2つの顔の恒星」、磁場の力でできる奇跡の大気構造(写真はイメージです) NASA-Unsplash

<表と裏でまったく異なる大気を持つ「二重性」白色矮星が、新たに2つ発見された>

磁場の影響で表面組成が変化する超レアな白色矮星(宇宙空間で最も暗く見える恒星)が、新たに2つ発見された。「2つの顔を持つ」白色矮星は、これを含めてもわずか7個しか見つかっていない。

白色矮星は外層がはがれ落ちて中心核が残った恒星の残骸で、何十億年もかけて熱エネルギーを燃焼させながらゆっくりと冷えていく。

白色矮星の表面の大気はかつて、水素が大部分と思われていた。しかし2023年、一方の面が水素、もう一方の面がヘリウムという珍しい白色矮星が見つかった。

その後、表面組成の異なる白色矮星が次々に発見され、「2つの顔を持つ」分類の白色矮星が増えている。

研究チームは「現時点で分かっている複数の継ぎはぎ大気天体を前提に、我々は2つの顔を持つ種類の天体を初めて定義することができた」と論文に記している。

そうした特異な白色矮星は、自転しながら組成の異なる「顔」を見せ、一瞬一瞬で種類の違う白色矮星に見える。

現時点で2つの顔を持つことが分かっている白色矮星7個のうち、4個は「強い磁場」が確認された。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P小幅続伸、貿易・経済指標を注視

ワールド

イスラエル、レバノン国連軍拠点を攻撃 ヒズボラとの

ワールド

再送ウクライナとの直接協議、プーチン氏欠席か トラ

ワールド

米国の薬物過剰摂取死、24年は27%減 5年ぶり低
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 2
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 5
    iPhone泥棒から届いた「Apple風SMS」...見抜いた被害…
  • 6
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 7
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 8
    終始カメラを避ける「謎ムーブ」...24歳年下恋人とメ…
  • 9
    対中関税引き下げに騙されるな...能無しトランプの場…
  • 10
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 5
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 6
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 9
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 10
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中