最新記事
ヘルス

血管年齢が13歳も若返る!? 循環器内科医が40代半ばから毎日食べている「ある食材」

2022年9月25日(日)15時30分
池谷敏郎(池谷医院院長、医学博士)*PRESIDENT Onlineからの転載

りんごポリフェノールが老化を止めたり、各種がん細胞の増殖を抑えたりすることはよく知られています。欧米に「1日に1個のりんごは、医者を遠ざける」という格言があります。北欧では、神々が「青春のりんご」と呼ばれるりんごを食べて永遠の若さを保った、という不老長寿の神話が語り継がれています。私も毎朝、半個のりんごを食べています。

ビタミンの葉酸(ようさん)が豊富なブロッコリーなどの緑黄色野菜も、肺機能を高めます。葉酸はビタミンB群の一種で、ほうれん草や小松菜、春菊などの葉物野菜に多いことから葉酸の名称がついています。葉酸は嚥下(えんげ)反射(食べ物を口から胃に送り込むまでの一連の動作)、咳反射(咳を起こす反射運動)を高め、誤嚥(ごえん)性肺炎予防にも効果的なビタミンなのです。

その他、玉ねぎ、キャベツ、アスパラガス、いちじく、グレープフルーツにも肺を浄化して、呼吸器系の機能を強化する働きがあります。また、肺がんのリスクを低下させる効果もあります。コーヒーも1日3~4杯飲むと、喘息の症状を抑えることに役立ちます。

動脈硬化が進んだ血管も若返ることがわかってきた

新鮮な栄養素と酸素を血流に乗せて、全身の隅々まで送る動脈は、加齢とともに血液の通り道(内腔(ないくう))に瘤(こぶ)ができてきます。血管の壁は厚く硬くなって、内腔が狭くなります。動脈硬化という血管の老化です。心筋梗塞や脳梗塞などの血管事故の原因となり、突然死につながる怖い血管の老化です。

女性は、女性ホルモンの働きで血管の老化が抑えられるという特権を持っています。ところが、40代後半に入って女性ホルモンの分泌量が低下してくると、動脈硬化のリスクが高くなります。この特権を持たない男性は通常、動脈硬化が20歳前後から始まっていて、不健康な生活習慣が加わっていれば、かなり進行していると考えられます。

かつては、「ひとたび動脈硬化が進んだ血管は、2度と若返ることはない」と信じられていました。近年の研究でその常識が破られ、血管が若返ることがわかってきたのです。よい生活習慣を持てば、血管はしなやかになって肌や筋肉に十分な栄養素と酸素を供給し、うるおいや張りを持たせます。

大動脈から手足へと延びる細い末梢(まっしょう)血管(細動脈など動脈が毛細血管に分かれる前の細い動脈)は、自律神経の働きでコントロールされています。緊張・興奮すると血管をギュッと収斂(しゅうれん)させる交感神経と、リラックスすると血管をしなやかに開く副交感神経のバランスによって、正常なコントロールが保たれているのです。

「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎの重要な役割

自律神経の機能は、食生活をはじめとした健康な生活習慣で維持されます。血管の若返りには手遅れということはありませんが、「血管メンテ」が早ければ早いほど、血管は実に簡単に若返ります。

若返った血管は、整備が行き届いた高速道路。血流がスムーズに全身をめぐります。ただし、道路が準備万端でも、血液運搬の動力である心臓の送り出す力が正常でなければなりません。スムーズな血流維持には、心臓の送り出す力に加えて、第2の心臓と呼ばれるふくらはぎも重要な役割を担います。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反発、アマゾンの見通し好感 WBDが

ビジネス

米FRBタカ派幹部、利下げに異議 FRB内の慎重論

ワールド

カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブルージェ

ビジネス

NY外為市場=ドル/円小動き、日米の金融政策にらみ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 7
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 8
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中