最新記事

エンタメ

「子供はキャリアを持つべきではない」元子役スター2人が語る芸能界で育つ功罪

The Perils of Fame

2022年11月16日(水)12時29分
ジェイミー・バートン
ダニエル・ラドクリフ エバン・レイチェル・ウッド

実在のコメディアンのパロディー伝記的映画で共演したラドクリフ(右)とウッド ASTRID STAWIARZ/GETTY IMAGES FOR REEDPOP

<10代からアルコール依存に恋愛ゴシップ......「学びも多かったけれど、お勧めはしない」ダニエル・ラドクリフとエバン・レイチェル・ウッドの偽らざる本音とは?>

映画『ウィアード:アル・ヤンコビック物語』(原題)で共演した俳優のダニエル・ラドクリフとエバン・レイチェル・ウッドが本誌とのインタビューで、有名子役だった子供時代を振り返った。

『ウィアード』は、パロディーソングで有名な実在のコメディアン、アル・ヤンコビックのパロディー伝記映画。ラドクリフはヤンコビックに、ウッドはマドンナ(作中では悪役扱い)に扮する。

ラドクリフは10歳の時に俳優デビューし、ハリー・ポッター役で世界的大スターになった。それでいいこともあったにせよ、他の子役には、小さい頃からスターになるのはお勧めできないという。

「自分の子供には、もし子供ができたらだけれど、映画のセットの周辺にいてほしいとは思う」と彼は語った。「撮影セットに来た子供に、『美術スタッフになりたい。映画の○○のスタッフになりたい』とか言ってもらうのが夢かな。関わりは持ってほしいんだ。子役じゃなくてね」

ウッドもデビューは早かった。両親は映画関係者で、約7歳でテレビドラマで子役デビュー。1990年代には人気ドラマ『プロファイラー犯罪心理分析官』などに出演。映画『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』で初めてゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネートされたのは16歳の時だった。

「これまで順調にやってこられた人間だから言えることではあるけれど」と、ラドクリフは言う。「いまだに僕らは俳優をやっている。つまり僕たちが芝居を楽しんでいるのは間違いない。それでも子供を有名人にはしたくないな」

何が何でも避けるべき

「有名になるのが問題なのよね」とウッドも言う。「子供が演技をするのは素晴らしいことだと思うの。演技は、子供時代には特に、芸術の一つの形であり、表現の形だと思うから。私自身、演技を通して自分自身と他者について、また共感と人と人とのつながりについて、存在についていろんなことを学んだから」

「それでも子供は『キャリア』を持つべきではないと思う。そこは一線を引きたい」とウッドは語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:トランプ氏政治集会の舞台裏、聴衆はなぜ熱狂す

ビジネス

円全面安が加速、対米ドル以外も10数年ぶりの安値更

ビジネス

日銀、政策金利の据え置き決定 国債買入も3月会合の

ビジネス

特にコメントできることない=日銀会合後の円安進行で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中