演技は悪くないが、今なぜコレ?──「置いてけぼり感」だけが残る迷走映画の是非
Stylish but Tepid
2022年11月16日(水)12時02分
現状に不満を抱えた男たちの秘密結社が、女性から自分の身体についての決定権と経済的自由を奪うために、大掛かりな陰謀を展開しているというストーリーは、ディストピア的なSFスリラーとしては面白いかもしれない。
それに、『ドント・ウォーリー・ダーリン』は視覚的には楽しいし、1950年代の陽気な音楽もいい。本業はミュージシャンのスタイルズの演技も悪くない(ダイナミックなピューや、喜々として悪者を演じるパインのカリスマ性には遠く及ばないけれど)。
だが、女性は奇麗でお利口な主婦としてのみ存在するべきだという50年代の抑圧は、もっと日常にさりげなく潜む陰湿な抑圧と戦う21世紀の女性たち(と、あらゆるジェンダーの人たち)からは、全く共感を得られないだろう。
©2022 The Slate Group
DON’T WORRY DARLING
『ドント・ウォーリー・ダーリン』
監督╱オリビア・ワイルド
主演╱フローレンス・ピュー、ハリー・スタイルズ
日本公開中
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