最新記事

キャリア

会社を売って何が悪い? 起業に崇高な理念など必要ない

2018年2月26日(月)16時03分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

もしかしたら、本書をご覧になった皆さんのなかには、

「こいつは突然何を言い出してるんだ? 起業なんてタダでさえハードルが高いのに、それに加えて売却するだって? そんなこと、本当に限られた、運の良い一握りの人だけができることでしょ。自分には全然関係ないよ」

なんて思われている方もいるかもしれない。

ただ、僕はあえて言う。

「会社を売ることなんて簡単だ」

「売れる会社を作る方法は誰にでも実現可能である」

僕に言わせれば、会社を売るのはトマトを売るのと同じだ。何の違いもない。ただの、「ものを売る」という行為だ。

会社を5億で売るのも、5億のダイヤモンドを売るのも、5億の不動産を売るのも、何ら変わりはない。

ハリー・ウィンストンで5億円の宝石を売っているお姉さんは普通に実在する。不動産屋で5億円の売買を成立させるお兄ちゃんも存在する。数億円の保険契約を成立させおっちゃんだってたくさんいる。

ただし、高価なものにはそれにふさわしい売り方がある。

5億円の宝石を売ろうと思ったら、それなりの知識や売り方がある。

ダイヤモンドの産地がどこなのか、どんな特徴があるのか、研磨やカットの技術・種類、重量や色、グレード、ブランドの歴史など、そのダイヤモンドの特長を伝えるさまざまな説明や証明書、高度な接客サービスが必要とされる。

会社も同じだ。

やり方さえわかれば売れるし、その価値に相当する会社だって、作り方さえわかれば作れる。

2017年11月21日、スタートアップ界隈のエグジットニュースで衝撃的なリリースが流れた。インターネット総合事業を展開するDMM.com が、「質屋アプリ」CASHを70億円で買収したというのだ。CASHというアプリは、サービスを開始してからたった数カ月だ。起業してたった数カ月で、70億円もの金額で取引されるというのは日本初の事例だろう。CASHの運営者である光本勇介氏は、ブラケットという会社も経営していて、以ブラケットをスタートトゥデイに売却している(現在は買い戻し済)。つまり、CASH売却は二度目のエグジットというわけだ。

このような事例は、100年に1度あるかないかの話ではない。むしろ、こんなニュースは今後もっともっと増えていくはずだ。

「会社を売る」という行為は、あなたの人生を想像以上に豊かにすることにつながっていく。あなたの人生を豊かにするのは「たかがお金」なのだ。「たかがお金」なのだから、効率良く手に入れる方法を真剣に模索すべきだ。サクッと起業してサクッと売却して、人生を豊かにしよう。

僕が伝えたいのはそんな話だ。

(中略)

【参考記事】対談:日本の若者がシリアルアントレプレナーを目指すべき理由

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

関税とユーロ高、「10%」が輸出への影響の目安=ラ

ビジネス

アングル:アフリカに賭ける中国自動車メーカー、欧米

ビジネス

中国、デフレ圧力解消へ規制強化方針 習氏が党経済政

ビジネス

米利下げ、年内3回にゴールドマンが引き上げ 関税影
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 6
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 9
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 10
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中