部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
──それはうれしい変化ですね。管理職の方が変化すると、その先にいる部下の方たちにも良い影響がありそうです。
そうなんですよね。実際の読者の方からのコメントでは、上司自身が変わったという感想よりも、部下が変わったという感想のほうが多いかもしれません。この本の内容をもとに上司が関わりを変えた結果、部下の方から「会社のことが大好きになりました」「仕事をもっと前向きにやろうと思いました」というコメントをいただくことがありました。上司の方からも、自分の変化というより、部下の反応が変わったことがうれしかったという感想が多いです。
──それはまさにこの本が目指すところなのではないかと感じました。この本をきっかけにとても良い変化が生まれているんですね。
学び続ける管理職が、会社の未来をつくる
──部下への関わり方を変えたいと思ったときに、どんなことから始めると良いでしょうか。
まずおすすめなのは、部下と話すときに、すぐにアドバイスをするのではなく、先に部下の考えを聞くようにすることです。経験豊富な上司は、部下の質問に対する答えを持っていることが多く、すぐにアドバイスをしたくなりがちです。でも、すぐ答えを言ってしまうと、部下の内発的な行動にはつながりません。マネジメントの役割はメンバーを介して仕事をするということですから、答えを示すことよりも、部下が自分で気づいて成長していけるよう促すことのほうが優先されます。だから、すぐにアドバイスをするのではなく、まずは話を聞く。それから、質問や相談されたことに対してアドバイスをする、というように順番を変えるということが最初の取り組みとしてはおすすめです。