
ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、定例のビデオ演説で、ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムトとその周辺で戦っている部隊からの「待ち望んでいたニュース」を歓迎した。1日撮影(2023年 ロイター/Vladislav Culiomza)
ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、定例のビデオ演説で、ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムトとその周辺で戦っている部隊からの「待ち望んでいたニュース」を歓迎した。
岸田首相のキーウ訪問は実現するか REUTERS-Stanislav Kogiku/Pool
<ウクライナ戦争開始後、G7で唯一トップがキーウを訪問していない国になった日本。議長国である広島サミット前の訪問実現が岸田首相の喫緊の課題だが、開会中の国会が「足枷」になっている。だが打開策はある>
いま国会で、岸田文雄首相によるキーウ訪問が焦点の1つになっている。
2月20日にバイデン米大統領がキーウを電撃訪問し、21日にはメローニ伊首相も訪問している。ウクライナとの「距離(感)」は同じとは言えないが、G7加盟国で日本だけが首脳訪問を実現できていない。ウクライナ侵攻から1年となる24日に開催されたG7首脳テレビ会議でゼレンスキー大統領は改めて、岸田首相の訪問を歓迎すると述べた。日本が議長国となるG7広島サミットではウクライナ危機対応が主要議題になる。開催まであと2カ月だ。
これまでにも、国会閉会中のタイミングでウクライナを訪問する試みがあったと言われているが、実現に至っていない。1月22日には読売新聞が「2月中の訪問を目指して官邸が本格的な検討に入った」とするスクープ記事を掲載し、2月24日を想定したとされている電撃訪問プランは「情報漏洩」の結果、幻に終わった。
問題をややこしくしているのは、国会開会中に首相や閣僚が海外に出張する場合、議院運営委員会(議運)理事会に官房副長官が事前に報告し、理事会の了承を得るのが国会の慣例とされているからだ。戦地に赴く首脳の日程をわざわざ詳らかにするような「事前報告」と「了承」が必要か、それとも保秘を優先させて「事後的な報告」で構わないのかという点に注目が集まっている。
憲法63条後段は、閣僚に国会審議への「出席義務」を課している。首相や閣僚は「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」とされ、国会法71条は「委員会による大臣等の出席要求権」を規定している。
戦前の大日本国帝国憲法は、大臣の出席を政府側の「権利」として規定していた。しかし、戦後の日本国憲法では、「全国民の代表」としての議員が内閣にその施策を問いただす「監督」(民主的統制)の実効性を確保することを狙いとして、大臣の出席は権利にとどまらず「義務」として規定された。議院内閣制の本質を構成する「義務」であり、その意味は決して軽いものではない。
そこで、会期中に首相・閣僚が国外出張(外遊)する場合、首相や大臣の不在は審議日程に影響を及ぼすために、議運理事会の「了承」をその都度得るという国会慣行が維持されてきた。このこと自体は妥当であろう。
実際に了承を得られなかった例もある。例えば2018年7月、安倍晋三首相(当時)はベルギーを訪問し日本EU経済連携協定(EPA)に署名した後、フランスでマクロン大統領(当時)と会談、その後にサウジアラビア・エジプトを訪問する予定を立てたが、予算委員会集中審議開催を要求していた野党が衆議院議運理事会で反対。法的拘束力がある訳ではないので外遊の強行は可能だったが、同時期に西日本を中心とする集中豪雨で甚大な被害がもたらされ、安倍政権は「災害対策に万全を尽くす」として首相外遊を中止した。
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ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、定例のビデオ演説で、ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムトとその周辺で戦っている部隊からの「待ち望んでいたニュース」を歓迎した。1日撮影(2023年 ロイター/Vladislav Culiomza)
ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、定例のビデオ演説で、ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムトとその周辺で戦っている部隊からの「待ち望んでいたニュース」を歓迎した。
ロシア大統領府(クレムリン)は5日、ウクライナと国境を接する地域のラジオ放送局で5日に放送されたプーチン大統領(写真)のものとされる演説は偽物だったと述べた。2022年4月撮影(2023年 ロイター/Sputnik/Mikhail Klimentyev/Kremlin via REUTERS)
ロシア大統領府(クレムリン)は5日、ウクライナと国境を接する地域のラジオ放送局で5日に放送されたプーチン大統領のものとされる演説は偽物だったと述べた。同地域のラジオ局がハッキングされたという。ロシア通信(RIA)が報じた。
Wagner Head Provoking 'Open War' With Kremlin Forces: Ex-Russian Commander
バフムトから撤収する途中のワグネル部隊とプリゴジン(手前)(6月1日)Press service of "Concord"/Handout/REUTERS
<バフムトからの撤収ルートにロシア軍が「地雷を仕掛けた」と怒るプリゴジンだが、そういう言いがかりこそ反乱を起こす>
親ウクライナを標ぼうするロシア人のパルチザン部隊「ロシア義勇軍団(訂正)」は4日、ロシア領への越境作戦中に複数のロシア兵を捕虜にしたと明らかにした。写真は「ロシア義勇軍団」のメンバーら。ウクライナにあるロシアとの国境近くで5月24日撮影(2023年 ロイター/Viacheslav Ratynskyi)
親ウクライナを標ぼうするロシア人のパルチザン部隊「ロシア義勇軍団」は4日、ロシア領への越境作戦中に複数のロシア兵を捕虜にしたと明らかにした。
Video Shows Challenger 2 Tanks Making Light Work of Russia's 'Dragon Teeth'
イギリスで訓練を受けるウクライナ兵、チャレンジャー2の上で記念撮影(2023年2月) Toby Melville-Reuters
<間近に迫っているとも言われるウクライナによる反転攻勢に備え、ロシア軍は占領地域に防御用障害物「竜の歯」などを設置している>