
秋葉原無差別殺傷事件発生直後の現場(2008年6月8日) Issei Kato-REUTERS
<性格も境遇もバラバラな犯人の動機についてばかり考えるのではなく、「なぜここで」という視点から犯行機会を減らそうとすることが重要だ>
政治資金の不適切処理を減らすためには外部的監査の充実が有効だが、政治家は外からの監視を本能的に嫌う。
そこで、適切に会計処理を行い報告書を作成する技能を持った会計担当公設秘書を増設し、政治家事務所の内部統制体制を強化する、あるいは政党本部による所属議員の会計監査を強化する策が考えられる。
他方でパー券が跋扈(ばっこ)する陳情政治を改めるには、必ずしも直接的な見返りを期待しない篤志型の個人献金を促進することも必要だ。
しかし、現状では実名住所が一般に公開される運用をためらう人は多く、あからさまな政治関与を忌避する日本の政治文化を変えるのも容易ではない。
日本には寄付文化が根付かないという指摘もあるが、プライバシー保護と追跡可能性(トレーサビリティー)の双方を担保した新しい政治献金制度導入を議論していくべきであろう。
第2次安倍政権では、閣僚不祥事が噴出しても当時の菅義偉官房長官が即座に更迭に踏み切り、その後の国政選挙で自民党が圧勝して不祥事がリセットされる状態が続いた。
しかしそのような官邸主導型の危機管理システムが既に消失しているにもかかわらず、漫然と緊張感の緩みが続いているとすれば、いずれ政権の命取りになるだろう。
岸田首相は大臣更迭に当たり「説明責任を果たしているか見極めつつ、自主的な辞職の体裁で事実上の更迭に踏み切る」スタイルを貫いている。
ただ、「一時を弥縫(びほう)して一時の小康を偸(ぬす)」む(福沢諭吉『福翁百話』)式の漸進的な危機対応がかえって政権の民主政の危機を招いていることが見えているのだろうか。
2023年6月13日号(6月6日発売)は「最新予測 米大統領選」特集。トランプ、デサンティス、ペンス……名乗りを上げる共和党候補。超高齢の現職バイデンは2024年に勝てるのか?
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<性格も境遇もバラバラな犯人の動機についてばかり考えるのではなく、「なぜここで」という視点から犯行機会を減らそうとすることが重要だ>
5月31日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、同日発射された人工衛星はロケットの2段目に異常が生じ、海に落下したと伝えた。写真は同日、ソウルの街頭で、北朝鮮によるロケット発射のニュースを見る人々(2023年 ロイター/Kim Hong-Ji)
日本政府は31日朝、北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられるとしてJアラートを発出した。沖縄県の住民を対象に避難を呼びかけている。
日本が学歴社会であることは誰もが認めるところだが…… takasuu/iStock.
<小中卒の刑務所入所率は大卒の25倍にもなるが、その背景には学歴差別による経済的困窮がある>
G7広島サミットは成功だったが...... Jonathan ErnstーREUTERS
<岸田首相が長男の翔太郎政務秘書官を更迭した。週刊文春の「首相公邸での大ハシャギ」報道がとどめを刺した形だが、なぜ即時でなく6月1日の辞任なのか。法律に基づけば、6月1日辞任なら200〜300万円と推測されるボーナスは満額支払われる>
WION-YouTube
<週刊文春の「首相公邸での大ハシャギ」報道がとどめとなり、岸田首相は長男の翔太郎政務秘書官を更迭した>