コラム

いち早く動いたソフトバンク...国内から「富の流出」が本格化? 日本経済「2025年のリスク」とは

2025年01月08日(水)17時10分

日本の財政状況が急激に悪化するリスク

既に防衛費は5兆円から10兆円に倍増が決まっており、子育て支援金は3兆円規模。ここに大規模減税が加わると、恒常的に十数兆円の支出増となり、日本の財政状況は急激に悪化する。これまでも財政問題によるインフレの激化や金利上昇リスクが懸念されていたが、いよいよそれが現実化してくるかもしれない。

一方、米政府による関税が実施された場合、日本企業の多くは国内工場を閉鎖し、アメリカの現地生産を強化することになるだろう。国内経済の空洞化が進むのはもちろんのこと、輸出の対価として受け取るドルを日本円に替える為替取引も減少するので、日本の国際収支は悪化せざるを得ない。


こうしたなか、ソフトバンクグループの孫正義会長はトランプ氏と共同で記者会見に臨み、グループ全体でアメリカに1000億ドル(約15兆円)投資するという驚きの計画を明らかにした。トランプ氏は孫氏のこの決断を高く評価し、会見では孫氏と肩を組むなど満面の笑みだった。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイ、90日以内に半導体戦略草案策定 米中貿易戦争

ビジネス

景気一致指数12月は1.4ポイント上昇、2カ月ぶり

ワールド

米国務長官が中東歴訪へ、トランプ氏の「ガザ所有」提

ワールド

インド中銀が金利引き下げ、景気低迷で約5年ぶりの利
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 3
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮兵が拘束される衝撃シーン ウクライナ報道機関が公開
  • 4
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 8
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 9
    「僕は飛行機を遅らせた...」離陸直前に翼の部品が外…
  • 10
    スーパーモデルのジゼル・ブンチェン「マタニティヌ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 6
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 7
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 8
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story