都市景観をお金に換えられない残念な国「ニッポン」
地震大国だから古いビルを維持できないというのは一種の思考停止
東京都港区赤坂にあるホテルニューオータニの向かい側、現在「東京ガーデンテラス紀尾井町」が建っている場所にはかつて「赤坂プリンスホテル」があった。同ホテルの新館は世界的な建築家であった丹下健三氏が設計したもので文化的価値の高いビルだったが、築29年であっけなく解体されてしまい関係者を驚かせた。
日本モダニズム建築の傑作ともいわれた「ホテルオークラ東京本館」も同様である。ホテルオークラは2014年5月に高層ビルへの建て替え計画を発表し、その後、旧本館は取り壊された。旧本館の取り壊しについては、海外の文化人らが反対を表明し、ワシントンポストなど海外の主要メディアも取り上げる事態となったが、計画は予定通り進められた。
ホテルオークラやプリンスホテルは、建築そのものの価値に加え、土地の由来や地形を生かした設計によって、景観としての価値も高いという特徴があった。
オークラの敷地は、周囲を見下ろす小高い丘になっているが、これが周辺との隔絶感を演出しており、米国大使館と隣接していることもあって独特の雰囲気を醸し出していた。赤坂プリンスホテルもその名称から想像できるように、旧皇族(李王家)の屋敷を買い取って建設され、堀に面した地形を最大限活用した設計が行われた(プリンホテル創業者堤康次郎氏の旧皇族からの土地の買い取り方はかなり乱暴なものではあったが)。
日本では建造物を長期間利用せず、すぐに取り壊してしまうことが多いのだが、決まって出てくるのが「日本は地震国なのだからやむを得ない」「ビルを新しくしなければ経済成長できない」といった一方向の議論である。
日本は地震が多く、築年が古いビルの中に耐震性が低いものが多く含まれているのは事実だが、耐震補強を行って継続利用できているビルもあることを考えると、地震国なので古いビルが許容されないというのは一種の思考停止である。米国の西海岸など日本に匹敵する地震多発エリアであっても古いビルはたくさんある。要はコストと技術の兼ね合いであり、検討する余地は十分にあるはずだ。日本が技術大国というならなおさらである。
新興国は法外な値段でも文化的価値が高いモノを欲しがる
古いビルが経済的に競争力を持たないというのも、あくまでハード面に限った話である。現代社会ではソフト面のパワーを無視することはできないし、先進国であるならば、むしろソフト面の付加価値を高めていくことの方が経済的メリットが大きい。
新しくビルを建設することで短期間の建設需要を生み出すことはできるが、長期的には潜在的なテナント需要以上の経済的効果はない。経済全体で考えれば、まだ使える建物を早期に壊してしまった分、減価償却(マクロ経済では固定資本減耗)が増え、結局は、労働者の所得を引き下げる。過剰なビル建設は、かえって経済の弱体化を招く可能性もあるのだ。
ニューヨークの超名門ホテルであるウォルドルフ・アストリア・ニューヨークは、2014年にヒルトン・グループから中国企業に売却された。同ホテルは、まさに米国を代表するホテルのひとつだったが、新しいホテルと比べると客室スペースが狭く、老朽化している印象は否めなかった。
裁量労働制の見直しは「成長スイッチ」ではない...むしろ「賃金低下」まであり得る理由 2026.03.05
川名麻耶、野村絢という存在が示す「日本経済の大きな変化」...「2世資本家」台頭の意味 2026.02.06
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
労務 給与計算・社会保険手続き 外資系企業で働く/フレックス勤務/週2~3回のリモート勤務OK
VISTRA Japan株式会社
- 東京都
- 年収400万円~850万円
- 正社員
-
採用プロジェクトオペレーター 未経験可 「大手・外資系企業の採用支援/フレックス×リモート」
株式会社トライアンフ
- 東京都
- 月給20万2,200円~
- 正社員
-
外資企業内イベントコーディネーター「東京駅直通オフィス」
コンパスグループ・ジャパン株式会社
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員






