コラム

日本の巨大年金基金はこうしてカモられる

2016年01月22日(金)18時40分
日本の巨大年金基金はこうしてカモられる

今年は年明けから世界各国の株式市場で値を下げる波乱の幕開けとなった Brendan McDermit-REUTERS

 2016年の年明けから随分と相場も動いています。波乱の幕開けなどとする指摘が多いのですが、クリスマスからお正月まで休暇気分が抜けないのは実は日本人だけ。相場取引の現場ではクリスマス以降は各国おしなべて通常通りの業務となります。一斉に休みを取るという点ではお盆の時期も同じなのですが、日本国民が休暇気分に浸っていても世界は全く違います。そこで、休暇中の日本人に不意打ちを食らわすような、投機的な動きも含めて、大きな変動が年末年始やお盆の時期にはままあるのものです。

 苦言を呈すようですが、相場に携わっていてながら、年末年始の動きを波乱と感じたのであれば、それは事前準備が万端でないと自ら吐露しているようなもの。もちろん、取引をしながら休みを取ることはいっこうに構わないのですが、休暇中に何があろうとも、天災人災で相場が休場しようとも、極論で言うなら戦争で市場が閉鎖されてしまっても、それでも持ち続けていられる株を持つというのが投資の基本でしょう。数日、数週間、あるいは数年後に市場が再開した際に適正価格で株価が成立するのかどうか。成立するのであれば問題ないわけです。一方、投機であれば休暇中、ポジション=持ち高を売りでも買いでも一切持たないというのが基本の「キ」です。短期的な市場の変動を狙っているにもかかわらず、休暇で価格の変動を追いかけきれないなら休み前に撤収しておく。当たり前の話です。

 いつ参入し、いつ撤収するのか、それは投資でも投機でも、始める前から自身の取引ルールとして決めるべきことで、入口の時点で出口も全て決まっているのが前提です。出口が決まっている以上、どんな投資・投機をしても、どんなに市場がボラタイルでも狼狽することはありえません。

プロフィール

岩本沙弓

経済評論家。大阪経済大学経営学部客員教授。 為替・国際金融関連の執筆・講演活動の他、国内外の金融機関勤務の経験を生かし、参議院、学術講演会、政党関連の勉強会、新聞社主催の講演会等にて、国際金融市場における日本の立場を中心に解説。 主な著作に『新・マネー敗戦』(文春新書)他。

ニュース速報

ワールド

焦点:中東和平、トランプ氏の「1つの国家」言及で一

ビジネス

アングル:中国企業、株式の私募発行ブームは風前の灯

ワールド

アングル:大荒れのトランプ大統領単独会見、記者から

ビジネス

米国株はダウ7日連続で最高値更新、クラフト急伸しエ

MAGAZINE

特集:トランプを操る男

2017-2・21号(2/14発売)

トランプとホワイトハウスを裏で仕切る男──。首席戦略官スティーブ・バノンの恐るべき世界観

人気ランキング

  • 1

    金正男の暗殺事件で北朝鮮の男を逮捕 謎の男の正体は?

  • 2

    金正男氏を死に追いやった韓国誌「暴露スクープ」の中身

  • 3

    海上自衛隊、18年度から4年間で新型護衛艦8隻建造へ

  • 4

    トランプ初の単独会見は大荒れ けんか腰の大統領に…

  • 5

    一般市民まで脅し合う、不信に満ちた中国の脅迫社会

  • 6

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 7

    北朝鮮軍「処刑幹部」連行の生々しい場面

  • 8

    園児に教育勅語唱えさせる幼稚園 園長は日本会議の…

  • 9

    金正男の遺体は北朝鮮引き渡しへ 真相は迷宮入りと…

  • 10

    開発に10年かけた、シャンパン級のスパークリング日…

  • 1

    金正男氏を死に追いやった韓国誌「暴露スクープ」の中身

  • 2

    金正男クアラルンプール暗殺 北朝鮮は5年前から機会を狙っていた

  • 3

    北朝鮮独裁者、「身内殺し」の系譜

  • 4

    「線路立ち入りで書類送検」が他人事でなくなる侵入…

  • 5

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 6

    金正男の暗殺事件で北朝鮮の男を逮捕 謎の男の正体…

  • 7

    南シナ海、米中戦争を起こさず中国を封じ込める法

  • 8

    一般市民まで脅し合う、不信に満ちた中国の脅迫社会

  • 9

    部下を潰しながら出世する「クラッシャー上司」の実態

  • 10

    金正男の遺体は北朝鮮引き渡しへ 真相は迷宮入りと…

  • 1

    金正男氏を死に追いやった韓国誌「暴露スクープ」の中身

  • 2

    トランプを追い出す4つの選択肢──弾劾や軍事クーデターもあり

  • 3

    日本でもAmazon Echo年内発売?既に業界は戦々恐々

  • 4

    東芝が事実上の解体へ、なぜこうなったのか?

  • 5

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 6

    ドナルド・トランプ第45代米国大統領、就任演説全文…

  • 7

    マティス国防長官日韓訪問に中国衝撃!――「狂犬」の…

  • 8

    トランプ、入国制限に反対の司法長官代行を1時間後…

  • 9

    アパホテル炎上事件は謝罪しなければ終わらない

  • 10

    トランプの人種差別政策が日本に向けられる日

グローバル人材を目指す

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

日本再発見 「日本の新しいモノづくり」
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 臨時増刊

世界がわかる国際情勢入門

絶賛発売中!