コラム

スウェーデンを翻弄するトルコ...NATO加盟「拒否権」持つ以上、絶対優位は揺るがない

2023年02月07日(火)17時00分

人道主義を掲げ、個人の自由や人権を重んじ、三権分立を旨とする民主主義国家であるスウェーデンの価値観はトルコには通用しない。そしてそのトルコの要求を満たさねばスウェーデンのNATO加盟は実現されない。スウェーデンが直面しているのは、自らの価値観を裏切ることなく、国家の安全保障にとって必要不可欠なNATO加盟という目的を果たさねばならないという難題だ。

トルコが「拒否権」を持っている以上、その絶対優位は揺るがない。エルドアンはデモ後、「スウェーデンはNATO加盟をめぐり、われわれからの支持を期待すべきではない」と述べた。トルコという国は、このような形で自由民主主義国家を翻弄し、圧力をかけることができるという現実をわれわれは今、目の当たりにしている。

■この記事は本誌2月7日発売号に掲載したものです

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プロフィール

飯山 陽

(いいやま・あかり)イスラム思想研究者。麗澤大学客員教授。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(東京大学)。主著に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『中東問題再考』(扶桑社BOOKS新書)。

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