英福祉支出削減の撤回、財政課題の深刻さを示す=S&P

7月4日、格付け機関S&Pグローバルは、英政府が今週福祉支出を削減できなかったことは、財政再建で直面する課題の深刻さを浮き彫りにしていると述べた。写真はS&Pグローバルのロゴ。1月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ロンドン 4日 ロイター] - 格付け機関S&Pグローバルは4日、英政府が今週福祉支出を削減できなかったことは、財政再建で直面する課題の深刻さを浮き彫りにしていると述べた。
スターマー首相は政府内からの反対を受け、年間50億ポンド(約68億3000万ドル)規模の福祉削減案を撤回せざるを得なくなった。この削減案は主に障害者給付の削減を中心としており、削減額が2029年までに25年の国内総生産(GDP)の0.2%に相当する規模に達する見込みだった。
S&Pは分析の中で「2020年のパンデミック以降に急増した福祉支出を小幅に削減することもできないことは、英政府の財政運営余地が非常に限られている状況を示す」と述べた。
S&Pは英国の信用格付け「AA」について「安定的」な見通しを維持しているが、財政状況は「脆弱」と指摘した。