国内ファンドのJAC、オムロンとタダノに出資 成長加速を後押し

7月7日、米カーライル・グループ出身の大塚博行氏(写真)が立ち上げた投資会社ジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC)は7日、オムロンに投資すると発表した。都内で3日撮影(2025年 ロイター/Miho Uranaka)
Miho Uranaka
[東京 7日 ロイター] - 米カーライル・グループ出身の大塚博行氏が立ち上げた投資会社ジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC)は7日、オムロンに投資すると発表した。出資比率は4%程度、投資額は約300億円とみられる。タダノへの投資もあわせて公表し、国内の上場企業に対する中長期的な成長支援の取り組みが広がりを見せている。
オムロンは主力のファクトリーオートメーション(FA)機器事業の不振を受けて構造改革を進めている。JACはオムロンとパートナーシップ契約を結び、半導体や自動車といったコア領域での市場シェア拡大や欧米を中心とした海外事業の強化を支援する。M&A(合併・買収)戦略も取り組みの一環となる。
JACは建設用クレーンを手掛けるタダノの普通株も1400万株取得する。議決権割合は11.02%[L4N3T40DA]。
JACはこれまでにライオンとピジョンの株式も取得しており、今回の出資も含め、企業側が戦略的な株主の選定を進める中で、中長期的な視点を持つ株主として、政策保有株の受け皿となる役割を果たしている。
大塚氏はロイターの取材に、資本参加にとどまらず、経営の方向性を共有し、企業価値向上に向けた支援を得られる相手を探す動きが企業の中で広がっているとし、25年中にさらに複数社への投資を検討していると述べた。
2023年7月設立のJACは、主に上場する大手企業を対象に建設的な関係の構築を通じて、中長期的な視点から持続的な成長を支援するエンゲージメントファンド。大塚氏は、企業において大枠の経営方針はすでに固まっている中で、「エグゼキューションの推進力を高めること」に加え「社内の常識が非常識になっている可能性に気づくという客観性の担保」もJACと組む意義の一つだと語った。
これまでに国内の機関投資家から2000億円超の資金を集めており、企業側からの高い関心を背景に、現在も国内外で追加の資金調達を進めているもよう。