ニュース速報
ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムスデン中銀副総裁

2024年04月20日(土)06時52分

イングランド銀行(英中央銀行)のラムスデン副総裁は19日、向こう3年間インフレ率は中央銀行が目標とする2%近辺で推移するとの見方を示した。2023年11月撮影(2024年 ロイター/Tyrone Siu/ File photo)

[ワシントン 19日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のラムスデン副総裁は19日、向こう3年間インフレ率は中央銀行が目標とする2%近辺で推移し、インフレが高止まりするリスクは後退するとの見方を示した。イングランド銀行の最新データでは、年後半に上昇すると予測されていた。

17日に発表された統計局データによると、3月の英国の消費者物価上昇率は前年比3.2%と2月の3.4%から鈍化。2022年10月にピークとなる11.1%を付けて以来の下落幅となった。

ラムスデン氏は「過去数カ月、インフレ動向の改善が下支えとなり、国内の持続的なインフレ圧力へのリスクが後退しているという自信を深めている」と述べた。

イングランド銀行は、エネルギー価格の下落を主な要因とし、インフレ率が4月に目標の2%に達するか、もしくはそれを下回るとする一方で、今年末までには3%近くまで上昇すると予想している。

しかしラムスデン氏は、「その予想は行き過ぎている公算が大きい」とコメント。「英国のインフレ見通しに対する国内のリスクバランスは2月の予測と比較して下振れに傾いており、インフレ率が予測期間全体を通じて2%の目標に近づくというシナリオもあり得なくはない」と述べた。

一方でサービス部門のインフレ率は6.0%と依然として高く、米国やユーロ圏のサービス部門のインフレ水準に連れる可能性が高いと指摘。ただ、米国とは異なり英国は「軟調な経済成長」が背景にあると言及した。

ラムスデン氏は「前例のない過去の状況下と同様に、引き続き慎重かつ迅速に政策決定を行う」と述べた。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は今週、予想を上回るインフレ率を示す一連の経済指標を受け、FRBがインフレ2%回帰を確信するにはこれまで予想していたよりも長い時間が必要になる可能性が高いとの見解を示している。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:1ドルショップに光と陰、犯罪化回避へ米で

ビジネス

日本製鉄、USスチール買収予定時期を変更 米司法省

ワールド

英外相、ウクライナ訪問 「必要な限り」支援継続を確

ビジネス

米国株式市場=上昇、FOMC消化中 決算・指標を材
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 10

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中