コラム

北京冬季オリンピックは中国の集団虐殺を隠蔽する祭典に

2021年02月17日(水)17時30分

国内だけでなく、対外的には南シナ海に軍事的要塞を構築して自国の内海としたし、東シナ海でも日本の尖閣諸島を「中国の固有の領土だ」と強弁している。近隣諸国との領土問題を平和的に解決しようとする姿勢がないどころか、海警法という国内法をもって武力に訴える根拠を整えようとしている。

オリンピックは平和の祭典だ、との宣伝文句を信じる人は少なくなったとはいえ、22 年の開催国の反人道的行為は人類全体が抱える難問となっている。場合によっては、オリンピックそのものを変質させる最悪の結末をもたらすかもしれない。

オリンピックは平和の祭典でも何でもなく、単なるジェノサイドを隠蔽する饗宴にすぎない、という悪夢になる危険性がある。

<2021年2月23日号掲載>

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プロフィール

楊海英

(Yang Hai-ying)静岡大学教授。モンゴル名オーノス・チョクト(日本名は大野旭)。南モンゴル(中国内モンゴル自治州)出身。編著に『フロンティアと国際社会の中国文化大革命』など <筆者の過去記事一覧はこちら

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