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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

ドイツ・アウトバーン(高速道路)の走行速度制限130㎞導入?ロシア依存脱却の省エネ対策とは

これに対し、緑の党の共同議長であるリカルダ・ラング氏は、一時的な速度制限を提案した。同氏は「どのような対策も石油への依存を直ちに解消することはできない。他に即効性のある対策がほとんどないため、今は高速道路の一時的な速度制限、例えば9ヶ月間、つまり遅くともロシアの石油から独立したい年末までの速度制限が必要だ」と述べている。

環境保護団体は、以前から一般的な速度制限の導入を求めていた。ドイツ環境保護庁(DUH)のユルゲン・レッシュ代表は最近、高速道路での速度を100㎞、町外れで80㎞、都市部で30kmに制限するよう呼びかけた。「速度制限により、ロシアへの石油依存を減らし、年間37億リットルのディーゼルやガソリン、920万トンのCO2を削減することができる」と算定する。

現在、ロシアからドイツに輸入されている石油の3分の1リットルは、すぐに節約できる。これも環境保護団体グリーンピースの分析結果である。高速道路の速度を時速100kmに制限すれば、ドイツの石油輸入量の約2パーセントを節約できる。遅い車は燃料が少なくてすむ。短期的にはロシアの石油に依存しないことにつながり、長期的には気候変動に貢献できるからだ。

連邦環境庁の調査によると、130km/hでは年間150万トン、120km/hでは200万トンものCO2排出量を削減できるという。

またルクセンブルクのクロード・タームエネルギー相は、EU全体で2日間のホームオフィスデーと、調整された速度制限を要求している。大都市での週末カーフリーと合わせると、250万バレルの石油を節約できる計算になるそうだ。

一方で、個人が1ヶ月に節約する燃料は、「世界の他の国々は10分で運転している燃料に匹敵する」と、速度制限反対派は言う。事故件数が激減する保障はどこにもない。たとえ死者が減少したとしても、それだけで速度制限は充分な理由になるのではないという反対意見もあがっている。

気候変動の危機の深刻さを考えると、1トンでも多くのCO2を削減することが大切なのは言うまでもない。高速道路を時速200㎞以上で走ることは、本当に自由なのだろうか。事故や気候変動に決して良い効果を生んでいない。

大多数は速度制限に賛成

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著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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