World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

「Take care bro」照れくさいけど伝えたい言葉

今晩は、新町です。

突然ですが、
私は元々知り合った友人に「よう、兄弟」というような事は言えないタチです。
それは英語であってもです。
どうしても照れが出ます。

「いちゃりばちょーでぃ」
沖縄の方言で出会えば皆兄弟というこんな考え方は素敵だと思うんですが。
「いや、そんな兄弟て」
ってどうしても思ってしまうタイプなんです。

俺ラッパーじゃないし、Bボーイじゃないし、ヒップホップも踊れないしというようなどうでも良いような事を考えて一歩を踏み出せないシャイボーイなんです。
今日はそんな私とあるカメラマンの話です。

2014年に私がミャンマーに来てすぐに知り合ったミャンマー人の若者がいまして。
その彼が今最も仕事をする上で重要なパートナーとなっています。
現状弊社メイクセンスの映像作品はほぼ彼がメインカメラマンを務めています。

初めて彼と出会った時、彼はまだ二十歳でした。
しかし既に結婚していて、知り合って2か月後くらいに女の子が産まれてました。
その子ももう7歳、めちゃめちゃ可愛い娘に育っています。

最も重要なパートナーとなった彼ではありますが、実は実は、最初はそんな風になるとは全く考えていませんでした。
当時私が最初に合流した現MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd.の前身会社に彼も私も所属していたのですが、そこには当時、30名以上くらい色んな人間がいました。
その中にはカメラマンが3人居て、彼は一番若いのもあり3番手、いわゆるアシスタント的な位置の子でした。

そこから数ヶ月の内に上の2人が色んな理由を付けて辞めていきました。
結果残ったのが彼1人になったのです。
私も決してカメラに詳しい訳でもなく、とりあえず彼にどんな事が出来るか、どんな事がしたいかなどを話していくようになりました。

彼は田舎から出てきた苦労人です。
映像を撮るという事にあこがれ、田舎から大都会ヤンゴンに出てきて、まず印刷所に勤めたそうです。
そこで彼はパソコンを使って、お客さんのデータをそれぞれの印刷物などに合わせて編集したりする中でソフトの使い方やパソコンについては詳しくなったようです。

今ではカメラのみならず社内のセキュリティー(大したものは入れてないですが)何かも彼が面倒をみていたりする程です。
というか困った事は大体彼に相談すると何とかしてくれます。

そして、次に来たのが弊社だったという事です。
そんな風に独学でドンドンと学んでいくのが彼の良いところです。
ぶっちゃけミャンマーの人でこれだけ自ら学んでいく人というのは珍しいです。
ましてや田舎出身の彼は高い教育を受けてきた訳でもありません。

最初は決してハイセンスなモノを作っていた訳ではありません。
それは彼がというより会社自体がそうでした。


2014年8月撮影。かなり地味......

そんな中彼は仕事をこなしながらも更にそのセンスを磨いていくのでした。
ある時、ミャンマーにドローンが入って来た時期がありました。
ドローンで撮った映像はこれから凄く需要があるんじゃないか?
そう短絡的に考えたのは良いですが、誰も使える人間がいません。
勿論私も使った事がないし、今からやってセンスある映像が撮れる気がしません。

彼に聞いてみました。
「もしドローンがあるならやってみたいかい?」
「やった事はないけど、使ってみたい」
買いました。

なんのかんので2000$以上。
中々高い買い物でしたが、将来への投資と思ったら安いものです。
これから操作も覚えないといけないし、ましてや良い作品というところではまあ時間はかかるだろうと。

気長に待つつもりでした。
戯れに、「ヤンゴンの街並みを撮って良い感じに編集してよ」とお願いしました。
そう彼は勿論編集もバッチリやってくれます。

そんな物凄く抽象的なオーダーを基に彼が独自で撮った作品がこれです。


.........ビビりました。
「コイツ出来んじゃん!」と最初の衝撃でした。

調子に乗った私は、
「こんな感じでコマ送りみたいなやつ!」
と言って沢山の写真をアニメ―ションのように動かす動画を観せて、こんなのを作って欲しいと頼みました。

「やったことはないけど、調べてやってみる」
そういって1週間後に出来たのがこれです。

いかがでしょうか?

これには映像のレベルもそうですが、何より仕上げるまでの早さにビックリしました。
なんかもう色んな事にビックリです。
この2つの動画は当時FBでどちらも数万回再生されました。
いくつかの会社や、中には映画の宣伝の動画として一部を使わせて欲しいというような問い合わせもありました。

ある時彼と話したんですが、YouTubeなどの動画サイトで自分が作りたくなるような動画を探し、そして更にそれの作り方やヒントなどもそういった動画サイトから探してやっていたんだそうです。
その発想、勿論ネット先進国であればわかりますが、ミャンマーは2017年の5月、ようやくヤンゴンに4Gが入ったようなネットインフラです。

そんな中彼が映像をクリエイトする為にとった学びの方法はとても先鋭的だと思いました。
私たちが撮った短編映画2本も勿論メインカメラマンとして参加してもらい、沢山のアドバイスを映像を撮る時にもらいました。

そして大きな仕事としてSUZUKIさんの仕事をいただいた時は、もはや全ての事を彼に任せて撮影全てを仕切ってもらいました。

私は一切参加していません。
あ、ギャラの交渉はしました(笑)
その映像がこちらです。


たった5年程でここまでそだった彼のセンスには脱帽です。
彼と出会えたことがミャンマーで最もラッキーだった事はもう間違いないことだと思っています。


さて、長くなってしまいましたので続きは明日にしたいと思います。
現在毎日投稿しています。
よろしければ他の日の投稿読んでいただければ嬉しいです。
それではまた明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

Ranking

アクセスランキング

Twitter

ツイッター

Facebook

フェイスブック

Topics

お知らせ