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ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

ボーカルレッスンで見得るミャンマー人の音楽センス

在ミャンマー日本人で組んだバンドEDOGAWA T/Sのライブの様子。 因みに今回このバンドの話は一切出てきません

みなさんこんばんは。
実はボーカリスト、新町です。

IMG_9436.jpg

日々ミャンマーの事をエンタメ視点から紹介しています。
良かったら昨日までの投稿も観ていただけたら幸いです。

今回は私がこれまでに行ったボーカルレッスンの話と、そこから見えるミャンマーの人々と音楽というテーマでお話ししたいと思います。

ミャンマーに来た当初、ミャンマーの子達にボーカルのレッスンをするという機会がありました。
最初は仕事ではなくボランティアです。

少し私の話をさせてください。
プロのミュージシャンになろうと中学生くらいの時から思っていまして、高校を卒業して専門学校のボーカル科に入り最終的に3年間勉強しました。
基礎的な、例えば発声の授業や、音楽理論、はたまたアンサンブルというバンドの授業などもあり専門的に音楽に触れた3年でした。

その後人に教えるというのを仕事にした事はないのですが、自分なりにこんな風にすれば人って歌はうまくなるよねみたいな事は考えたりしていました。
あと、意味のわからない基本練習が凄い嫌いで、自分なりの方法を考えたりもしてました。

そんな中、ミャンマー人の子達に基礎からという事でレッスンを始めた訳ですが、まず始めてみてあまりのレベルの低さに驚愕しました。

これはミャンマーの方々の為に言っておきますが、ミャンマー人の人たちの音楽センスは物凄く高いと思います。
勿論歌に関してもです。
例えば私の友人で凄くセンスのある歌手の有名な歌がこれです。


チッロンローバーと読みます。

意訳ですが、意味は「好きだから」という感じでしょうか。
実は自分の結婚式で歌ったくらい好きな歌なんですが、こんな風に歌がうまくて曲作りのセンスも良いという人は勿論います。
因みに彼はこのMVの監督も自分でやっています。

更に、民族音楽のレベルの高さにも驚きます。
これに関しては凄さが簡単には伝わらないかもですが、この動画を観てみてください。

いかがでしょうか?
すさまじさが伝わったでしょうか?
このレベルまで達している人達が少なからずいるだけでもこの国の音楽のレベルの高さには圧倒されると思うのですが、問題は音楽に関する環境なんです。

何故私がレッスンするに至った子達のレベルが驚愕するレベルだったか。
それはひとえにミャンマーの音楽教育の環境にあります。
日本では当たり前の義務教育での音楽が無いんです。

そういった環境のせいで、子供の時に音楽教育を全く受けていないまま大人になる人も少なくありません。
ある意味でいうとそういった土台が無い中でセンスと才能だけでプロのミュージシャンとして活躍している人達は凄いと思います。
そういったところで、当時、寮みたいなところで共同生活していた男の子や女の子達に毎晩1時間程レッスンするという事をやりました。

そんな状態であったので本当に、ほんっっっっとうに基礎からやりました。
一体どんな事からやったのかというと。
まずリズムがまともに取れないので、メトロノームに合わせてリズムを取らせるという私の嫌いな超基礎練習でした(笑)
携帯のアプリでメトロノームを鳴らしながら、それに合わせてペンでテーブルを叩くということをやらせるのです。

四分音符、八分音符、三連符、十六分音符。
という風に叩くリズムを変えてやってもらいました。
更に曲を流しながら延々と叩かせるという事もやりました。

地獄のようなつまらない練習だったとは思うのですが、まずこれが出来ないと話しになりません。
レッスンを受ける子の能力もそれぞれではありましたが、最初はまあみんな酷いもんでした。

音楽の三要素と言われるものはご存知でしょうか?
リズム
メロディー
ハーモニーです。

リズムは上記でやった方法で鍛えます。
メロディーはいわゆる歌だと思ってもらえれば良いです。
主旋律という言い方をしたりもします。
そしてハーモニーですが、勿論「ハモリ」と言われるものもそうなのですが、例えばギターだったりピアノだったりが演奏で奏でたりするものもハーモニーです。
沢山の音が重なった状態と理解していただければ良いと思います。
こんなのを基礎から徹底的にやりながらもそれだけではおもいっきりつまらないとは思ったので、毎回課題曲として歌を練習するというのもやりました。

そして、20回程レッスンをした時に奇跡が起こったのです。
レッスンを受けていた子の中で声は悪くないんだけど、明らかに音痴だなという子がいたんです。
正しい音をちゃんと取れない子です。

これは中々直していくのが難しいんですが、そんな子が突然ハーモニーを奏でたのです。
私は「それがハーモニーだよ、凄いね」と伝えたのですが、結局何故その子の音痴が突然なおり、ハモリまで出来るようになったのかはいまだに解明できていません(笑)

ただ、同じようにレッスンを受けている子達と楽しそうにハモッて歌っているのをみて私も嬉しくなったのを覚えています。
あの子は今でも歌が好きで歌ってくれてるといいな。

そんなこんなでこれまでに30人程、ミャンマー人をレッスンしてきました。
一番下は12歳、そしてもっとも上は還暦を超えたおばあちゃんでした。
それぞれのレッスン生にそれぞれの性格や特質があり、大変勉強になりましたが、一番の狙いは音楽教育を受けていないプロのミュージシャン、特に新人の子達にレッスンをしてその才能を開花させる手伝いなんかを出来たら最高だなという事でした。
いつかそんな子達がミャンマーや世界で大活躍なんかすると良いなと思いつつミャンマーのミュージックシーンも盛り上げていけたらと色んな活動をしていました。

最後に私の会社で企画したイベントで私の教え子達に歌を歌ってもらったのですが、その練習の様子の動画を紹介します。
ミャンマー人の子達ですが、日本の曲を頑張って歌っています。
後半は私も一緒に歌ってたりします。

という事で音楽教育の場をもっと充実していけばミャンマーの子達の中から才能のある子がドンドン出て来てアジアも飛び越え世界で活躍するミュージシャンがミャンマーから沢山出るという事もあるだろうなと考えています。

ミャンマーは伝統音楽がとても奥深いです。
そしてインターネットの普及によって世界の音楽に触れる機会が増えた若者達で更に新しいミュージックシーンが産まれつつあります。
是非注目していただけたらと思います。

勿論私もエンタメ業界ですからガンガン一緒に盛り上げていこうと思っています。
それではまた明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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