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南米街角クラブ

島田愛加|ブラジル/ペルー

ブラジルに第4波到来か!? 私の新型コロナウイルス感染体験談

マスク着用義務解除、「早かったのでは?」と専門家の指摘も(photo by Aika Shimada)

ついに先週、新型コロナウイルス陽性になってしまった。

同居するパートナーが先に感染。
家庭内別居状態で看病していたが、私に症状がでるのは時間の問題だったようだ。
消毒を徹底し、使用するスペースを完全に分けない限り、家庭内感染を防ぐのは難しいだろう。

これまであれだけ気を付けていたのに、2人ともあっけなく感染してしまい、「あぁ、こんな風にコロナ感染者は増えていくんだな」と実感した。

|さよならマスク!パンデミックは収束に向かっていた(はずだった)

現在、緊急事態宣言が撤回されたブラジルでは、屋内外共にマスク着用の義務はない(メトロとバスは除く)。
街中でマスクしているのは一部の飲食店スタッフか、僅かな人々のみ。
ワクチン接種証明の提示を求める場所もあるが、それ以外は殆ど"通常"に戻ったと言ってよさそうだ。

3月には大きな音楽フェスティバル、4月には延期されたカーニバルの実施など、何万人単位でのイベントも再開。
感染拡大が再び起こるのではと懸念されていたが、新規感染者のグラフはそのまま下降へと辿っていった。

先月末、私は用があって飛行機を利用しサンパウロへ向かった。
友人たちと2年ぶりに会い、思いきりハグをして楽しい時間を過ごした。
以前のようにハグができるようになったのは、マスクの着用義務がなくなった頃からだろう。

そう、ブラジルでは挨拶でハグ(もしくは頬と頬を合わせるキス)をする習慣があるのだが、パンデミックになってからは自粛する人が殆どだった。
パンデミック以来、最も多くの人とお会いした一週間だったが、コロナには感染しなかった。

では、なぜ今コロナに感染してしまったのか。

|私とパートナーのコロナ感染記録

私とパートナーはこれまで、感染には十分注意を払っていた。
マスク着用義務が解除されてからも、外食や友人と会う時はできるだけ風通しの良い場所を選んでいたし、アルコール除菌も続けていた。
2回のワクチン接種に加え、今年1月にブースター接種も終えている。
しかし先週月曜日、パートナーは仕事から戻ると激しい頭痛と喉の痛みを訴えた。

17日(火)
パートナー:病状(頭痛、喉の痛み、微熱)よくならず、職場に診断書を出すために病院へ。
医師は「扁桃腺が腫れている」と血液検査をすすめる。コロナの検査はすすめられなかったが、自らお願いし2つの検査を行う。
結果はコロナ陽性。10日間安静の診断書を貰い、仕事を休むことになる。

18日(水)
パートナー:処方された扁桃腺の腫れを抑える薬を飲んだため、唾を飲み込んでも痛くないほどには収まったが、同時に咳が出始める。
私:私は健康状態に問題なく、できるだけ距離を保ちながら看病。

19日(木)
パートナー:病状がだいぶ良くなり、咳が少々出る程度。診断書の通り、10日間は職場に行けないため、在宅ワーク開始。
私:変わらず元気。この時は「感染しなかったね」「無症状だったのかな」なんて話していた。

20日(金)
パートナー:完全復活。在宅ワーク継続。
私:夕方ごろから喉に違和感を感じ始め、夜中に強烈な頭痛と寒気を感じる。

21日(土)
私:よく眠れず身体の怠さを感じる。微熱。喉に違和感あり。夜中、咳が止まらず感染を疑う。

22日(日)
私:熱はないが、咳がひどく眠れないため疲れ気味。座っているのが少ししんどい。 薬局で販売されている抗原検査をすると、うっすらとコロナ陽性のライン。喉が焼けるような痛みと、咳がひどくなる。

23日(月)
私:昨日と同じ。咳で眠れず、1日中疲れているような感覚。少し鼻水が出始める。仕事(在宅)をしようとしても集中できない。

24日(火)
私:久しぶりによく寝れた。仕事完全復帰。咳は前日に比べて減るが今度は鼻が詰まる。明日は良くなるだろうと感じる。

25日(水)
私:体の痛みはなくなり、残る症状は咳と鼻水のみ。寒さが関係するのか夜にかけて咳が酷くなる。
夜中は眠れず、時に喉に焼けるような痛みがある。

26日(木)
私:体調は良いが咳と鼻水が多少残る。症状から6日目のため、今も外出は控えている。

ブラジルには感染者が隔離できる専用ホテルや、市町村からの食料の支援物資といった制度はない。
私とパートナーは時間差で感染したのでお互いを看病できたが、同時に感染していたら大変だっただろう。

個人的な話だが、体調が悪い時は優しい味のもの、特に鍋焼きうどんが食べたくなるのは何故だろう。
ブラジルは胃腸系の病気でない限りしっかり食事を摂らせるようで、ブラジル人であるパートナーは、「コロナに打ち勝つために食べなきゃ!」と毎日山盛りのご飯、豆、肉、野菜を用意してくれた。
正直食べるのが辛い日もあったが、今思えばそれが良かったのか、比較的回復は早かった。
幸いにも2人とも熱はすぐに下がったため食欲は失わず、嗅覚や味覚の異常はなかった。

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薬局で買える抗原検査の結果、一瞬陰性を疑ったが、うっすらと陽性反応が(photo by Aika Shimada)

|ブラジルにも第4波がくるのか

「どこから感染したのだろう?」
感染したら、誰もが一度は考えるだろう。

ここ最近、人混みに紛れた覚えのない私たちは、感染源に見当がつかなかった。
後になってから、パートナーが教えている学校で集団感染があったという噂を聞いたのだが、実際のところはわからない。
やっぱり屋内ではマスク着用しておくべきだったかと反省した。

感染したことを他の州に住む友人たちに連絡をすると、彼らの周りでも感染が再度広がっていると返信があった。
確かに、ブラジルの新規感染者グラフを見ると、今年の1月をピークに下降を辿っていたが、今月半ばから再び上昇し始めている。
同時に、5月1日からブラジル南部で開催されていたデフリンピック(ろう者のオリンピック)では、参加した日本選手団149名のうち、23名が現地にて感染。 大会終了4日前に全競技で出場辞退を決断したという非常に残念なニュースも入ってきた。

一部の地域では例年にない程の寒い日が続いていたことや、国民のパンデミックに対する予防意識が弱まってきたことも感染拡大に関係しているだろうが、専門家は、ワクチン接種率の伸び悩みや屋内のマスク着用義務解除のタイミングが早すぎたことを指摘。
隣国アルゼンチンで既に起こっているように、ブラジルでも再度感染拡大の波が訪れると予測している。

一般的に"軽症"の感染者が増えているとは言え、この咳の辛さは経験したことがない。
個人で予防を徹底していても、どこかで感染してしまうこともあり得る(それだけ、コロナウイルス感染はもう特別なことではないようにも捉えられるが)。

万が一感染した際にどうするか事前に考えておくことも大切だ。
特に同居の場合は家庭内感染を防ぐ方法、一人暮らしの場合は食事の手配など(経験者として、前述したとおり栄養をたっぷり摂ることが早い回復に繋がるように感じる)。
そして、普段から免疫力を高めておくこともお忘れなく。

 

Profile

著者プロフィール
島田愛加

音楽家。ボサノヴァに心奪われ2014年よりサンパウロ州在住。同州立タトゥイ音楽院ブラジル音楽/Jazz科卒業。在学中に出会った南米各国からの留学生の影響で、今ではすっかり南米の虜に。ブラジルを中心に街角で起こっている出来事をありのままにお伝えします。2020年1月から11月までプロジェクトのためペルー共和国の首都リマに滞在。

Webサイト:https://lit.link/aikashimada

Twitter: @aika_shimada

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