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パリのカフェのテラスから〜 フランスって、ホントはこんなところです

RIKAママ|フランス

一晩で12人逮捕のエッフェル塔近辺の観光客狙いの暴力を伴う犯罪増加

ライトアップされて美しいエッフェル塔は遠くから見る方がよいかも・・・      pixabay画像

パンデミックが少しおさまってきて・・というよりも、フランスは明らかにコロナウィルスと共存していくという姿勢に舵を切り始め、家からほとんど出られなかった最悪のロックダウンやレストランや人の集まる場所の閉鎖、ワクチンパスポートの提示など、さまざまな感染対策を経て、現在では、マスクさえも、高齢者施設や医療施設以外は、全面撤廃され、ほぼほぼ日常が戻ってきました。

私が、4月の段階で日本から帰仏した際にも、ランダムにワクチンパスポートをチェックということで、一応、手元に携帯のワクチンパスポートの画面をオープンして備えていたのですが、あっさりとまさかのノーチェックで、当時、あれだけ厳しい書類のチェックや空港での検査、隔離などを強いられた日本は何だったんだろう?と拍子抜けした気分でした。

メトロやバスなどの公共交通機関のマスク着用義務は最後まで残されていましたが、それでさえも先月には撤廃され、街中にはマスク姿の人はほとんど見当たらなくなりました。

それにつれて、一時はすっかり姿を消していた観光客もいつの間にか戻ってきて、パリの街中を歩いていると、英語やスペイン語など、フランス語以外の言葉で会話しているのをけっこう耳にするようになってきました。それでも、まだまだパンデミック前ほどの人出ではありませんが、ルーブルなどの美術館には朝早くから行列ができ、観光バスもちらほら見かけるようになってきました。

世界有数の観光地のひとつであるパリに観光客が戻ってくるのは、フランスにとっては嬉しい悲鳴なのですが、観光客が戻ることによって、別の悲鳴を上げているのは、パリ警察です。

日常からパリは他の地域に比べると格段に警察官の数も多く、しかもけっこうな重装備で街を練り歩いているのには、ギョッとさせられることもありますが、それは、それなりにその必要があってのことで、スリや置き引き、ひったくり、強盗などは、日常茶飯事で、あまりに普通すぎて、結果的には警察に届け出たとしても、捜査をしてもらうためというよりも、被害届を書いてもらうために行くような感じです。

パリに住んでいる人だったら、自分あるいは、周囲の誰かが必ずと言っていいくらい一度や二度は被害に遭っているので、出かける時には、十分注意をして、華美な服装は絶対に避け、ブランド物などは、まず持ち歩かないのが普通です。

そんなわけで、パリでは、ちょっとやそっとのことではなかなかニュースにすらならないほど起きているこの手の犯罪ですが、先週、エッフェル塔近辺のトロカデロ地区で一晩に立て続けに12人もの若者が逮捕されたという事件はさすがにびっくりさせられました。

割れたボトルで頭を殴るまでする暴力を伴う強奪犯

この日の事件は、夜11時頃、エッフェル塔近くのトロカデロの庭園で2人の移民らしき若者が観光客から金のネックレスを強引に引きちぎるところをパトロール隊が目撃したことから始まりました。エッフェル塔付近は、言わずと知れたパリの観光客が集まる場所の一つです。そんな観光客が集まる場所は犯罪者が狙いを定めて集まる場所でもあります。2人の若者は、すぐに逮捕され、近くの警察に連行されましたが、その段階で、現場近くには、20人ほどの仲間がいたことが確認されています。

そして、その数分後には、2人の若者が逮捕された警察署には、後頭部と腕に傷を負い、頭から血を流した男性が警察に出頭してきました。その男性は、数人の人物に囲まれ、カバンを盗まれそうになり、抵抗したところ、加害者たちに割れたボトルで頭を殴られ、結局、カバンは強奪されたと説明し、被害者は救急隊によって、応急処置を受けた後、近隣の病院に搬送される事態となりました。何が入っているのかもわからないカバンを強奪するために、そこまでするのかと思うと血の気が引く思いがします。

その後まもなく、同警察署には、2人の観光客がiPhone 12 pro maxを奪われたと駆け込んできました。ここまで立て続けに強奪事件が起こっている事態にさすがの警察も大挙を動員して現場へ出動し、依然として獲物を物色し続けていた若者たち9人の身柄を拘束、その1人が被害者が盗まれたと証言していたiPhone 12 pro maxを持ったままであったため、即座に逮捕されました。

さらには、午前2時半頃、この庭園(シャン・ド・マルス)にいた女性から、5人の若い移住者とすれ違ってネックレスを盗まれたと通報。それからわずか30分後の午前3時ごろ、この付近を歩いていた男女2人が、移民と思われる若者8人に声をかけられ、彼らが、注意をそらしながらシャネルのペンダントがついた3連の金の鎖を強奪されたと警察に駆け込み、被害者が容疑者を確認した後、さらに3人の若者が逮捕されました。

正直、こんな場所でこんな時間にシャネルのネックレスをして歩くということ自体がどうかしているとしか思えませんが、今は日も長く、観光客からしたら、旅行に来て、羽をのばしたいところ・・気持ちはわからないではありませんが、ここはパリ、昼日中でさえも、決して安全とは言えない場所なのです。

最初のパトロール隊が2人の若者を逮捕したのが夜11時頃、2人の若者が連行されていく様子は周囲に残った同業?の若者たちもその様子を見ていたはずなのに、犯行は、その後も数件にわたって続いていくことから、警察が舐められきっているのがわかります。

結局、この夜には、2人の未成年者を含む合計12人がこの場所で逮捕されたのですが、そのうち4人は無罪となり、懲役4ヶ月の判決が3件、6ヶ月と8ヶ月の拘留命令付きの判決が2件言い渡されています。

しかし、逆に考えれば、4ヶ月、6ヶ月、8ヶ月たてば、彼らは再び世に放たれるのです。以前は、よくジプシーの子供がそのような仕事をさせられていて、現行犯で捉えられているのを何度も見かけているのに、彼らは未成年のために、調書をとられるだけですぐ釈放、そして、懲りもせずにまた同じ場所に座り込んだりしているのをモヤつく思いで見ていました。きっと、彼らにとっても懲役4ヶ月などは、なんのことはないことで、出所すればまた再び、仕事を再開することでしょう。パリ検察庁に送致されるこの手の未成年の犯罪者は年間4,000人と言われています。

やはり、慣れない土地に来て、油断も隙もある観光客をターゲットにするのは効率もよく、特にアジア人、日本人はターゲットにされることが多いようです。パリに観光客が戻ってきたといっても、今はまだ、あまり日本人観光客はまだ見かけませんが、私のような素人?でさえも、みなりやたたずまいから、一目で日本人はそれとわかります。日本人は現金を(しかも結構な大金)持ち歩く習慣があり、比較的、盗難にあったりしても、「無事でよかった(身の安全)・・」などと呑気なことを言っている人が多いのには逆に驚かされます。

けれど、今回のように割れたボトルで何の躊躇いもなく、頭を殴りつけるなど、最近は、暴力的なものもあるので、(私の元同僚は、夕方、帰宅途中にメトロの駅の近辺で携帯を盗まれそうになってボコボコに殴られたことあり)、携帯を含めて高価なものをパリでは持ち歩かないのがまず賢明です。数年前には、知り合いの日本人対応のガイドさんが、お客さんを迎えにホテルに行ったところ、ホテル近辺で襲われてカバンを取られそうになり、抵抗したために、殴り殺されたという事件もありました。

このように集団で襲われれば、狙われたら最後、もう逃げようがありません。パリに来て、おしゃれに歩きたい気持ちもわかりますが、現実のパリではそんなリスクは避けるべきです。まあ、今回の事件は夜の11時から午前3時頃に起こった話ではありますが、日中とて、危険がないわけではありません。なにしろ、パンデミックのために、ここ2年間はほとんど観光客がいなくなっていたのですから、観光客の再来とともに、一気にこれまでの分を取り返すとばかりにこの手の犯罪は激増しているのです。

パリには、スリやひったくりの他、ギャンブル詐欺、傷害事件なども多数起こっており、昨年7月から、今回の舞台となったシャン・ド・マルスは夜間閉鎖しろ!犯罪から人々を守るためにフェンスを設置しろ!という要請が地元の住民から上がっています。マクロン大統領は今後5年間の間に警察官の数を倍にすると言っていますが、果たしてそれで街の安全が守られるのかは、甚だ疑問です。

 

Profile

著者プロフィール
RIKAママ

フランスって、どうしようもない・・と、日々感じながら、どこかに魅力も感じつつ生活している日本人女性。日本で約10年、フランスで17年勤務の後、現在フリー。フランス人とのハーフの娘(1人)を持つママ。東京都出身。

ブログ:「海外で暮らしてみれば・・」

Twitter:@OoieR



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