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魅惑の摩天楼、香港フォト通信

マリエ|香港

香港でゲイの結婚パーティーに呼ばれて

(筆者撮影)

先日、香港でゲイのカップルの結婚パーティーに呼ばれる機会があった。私の親しくしている香港人のママ友がお声がけしてくれたのである。彼女は中国でスーパーマーケット、エステティックサロンを経営。香港ではラグジュアリーな百貨店に高級コスメの店舗を構えている。そのつながりで新郎さん(?)新婦さん(?)も美容関係者である。新郎新婦とは以前に数回会っているので2人の新たな出発を祝ってあげたかった。

結婚パーティーと言ってもそんな大げさなものではなくカジュアルなパーティーであった。

新郎は40代、ちょっと見は香港のアクション映画スターっぽいナイスガイ、得意な水泳で鍛えた大胸筋はTシャツの上からもわかる。新婦は30代後半、新郎と比べると線が細い感じで、彼に尽くしてますって感じのタイプ。2人ともカナダ国籍である。1997年の香港返還前に家族でカナダに渡り、カナダで育ち、西洋ナイズされた香港人である。2人のネイティブの言語は英語。広東語。普通語(マンダリン)は、聞く話すは大丈夫だけれど読み書きは苦手だとか。

お2人はカナダでは正式な夫婦として届けを出し受理されている。香港では現在同性間の結婚は認められていない。

そのパーティーにはカップルの親は来ていなかった。息子がゲイと言う事実を両親は受け入れられず、何故孫の手をこの手で抱くことができないのか?と散々言われたそうだ。新郎新婦とも一人っ子である。香港は日本以上に血のつながった継承の誕生を強く切望し、保守的な価値観を持つご両親は納得がいかなかったのかもしれない。

LGBTというくくり、香港ではLGBTはどう思われているのか

結婚パーティーには一目でゲイとわかる男性たちに加え、女装男子、そしてレズビアンの方々もお見えになっていた。「最近ではゲイだとかレズだとかトランスジェンダーとか区別せず、LGBTと総まとめで呼ぶのよね」と教えてもらった。LGBTとはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル(両方の性を愛せる人)、トランスジェンダー(性自認が実際と異なる)の略である。

そして今まで体と性が一致しない男性女性を性同一障害という呼称でくくっていたが2018年にWHOは精神疾患のカテゴリーから除外することを決定した。

現在は性同一障害と呼ばずトランスジェンダーと呼ぶらしい。(ソース→https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/news/2018/6/8.html

「同じ人間であって、たまたま同性を愛しただけ」
「男(女)に生まれたけれど性自認は逆なのよ~」

明るくさらりと言ってたけれど「差別や区別しないで」と言う気持ちを感じた。

香港でのLGBTへの差別意識は年々低下の傾向

2020年香港中文大学は18歳以上の1058人に聞き取り調査を行いLGBTに反対と答えた人の数が歴史的に低かったという結果が出た。(ソース:https://hongkongfp.com/2020/01/08/opposition-lgbt-legal-rights-hong-kong-historic-low-cuhk-survey/

60%がLGBTの法的保護に賛成または大いに賛成すると回答。

2016年の同じ調査で賛成すると答えた人56%を超える結果となった。

中立的な意見を持っている人が27%。残り13%の人がLGBTの法的保護には反対と回答。こちらも2016の反対と答えた35%から著しく下がっている。

ゲイの結婚に関しては49%が同意または大いに同意すると回答。

28%がどちらでもないと回答。23%が反対または大いに反対すると回答。

世論の賛成する声がLGBTの法的保護の整備に結び付くのではと期待する声も多い。

香港の発展場

結婚パーティーにいらしていたゲイの方々にどこで知り合ったのか聞かせてもらった。

いわゆる発展場(ハッテンバ)というやつである。

一番ポピュラーなのはは今の時代を反映して出会い系アプリである。Grindrが有名。

オンラインではなくフィジカルな香港の発展場は大きく分けると以下の3つ

●ビーチ:香港島のMiddle Beach, South Bay Beach、ランタオ島のCheung Sha Beach で週末に出会う。

hkgay02.jpg

(筆者撮影)

●バー:ゲイフレンドリーなバーが香港には多数ある、有名どころではBing Bing HK, Virus, Winkなど

●ゲイサウナ:Soda Sauna Gateway Saunaなどが人気(Soda Sauna Instagram: https://www.instagram.com/sodasauna/?hl=en

香港はゲイフレンドリーな街、あの件が影を落とさなければ

香港はLGBTフレンドリーな街だとはよく聞く話である。実際に結婚パーティーに参加していた方たちも口に出していた。しかしながら新郎新婦は「今後も香港に住んでいたい、あれが影を落とさなければね」とつぶやいた、あれとは香港の反体制行為を禁じる国安法である。国安法は非常にあいまいで、いまのところ反政府的な態度を取ってきたメディアや2019年の抗議活動にかかわった人間を片っ端から潰しているが、それを飛び越えて違法行為の範疇をやたらめたら広げないか危惧しているのだ。

香港の前行政長官キャリーラムは香港でゲイのドラマ「おっさんずラブ」の視聴率がうなぎのぼりの時に、LGBTの法的保護に関しては明らかに不快な表情をしながらも、言葉を選んでLGBT批判は慎重に控えていた。過去記事で「おっさんずラブ」に触れた時に書いたことだが、香港人の若者が「おっさんずラブ」に熱狂する中、「中国では3人子供を持ってこそ理想の形、子供を産まない人たちは国安法違反」とまで言い切った議員もいた。

ジョン・リー現行政長官からは今のところLGBTの法的保護に関しての言及は聞かれていない。香港での同性婚承認を含めたLGBTの法的保護は国安法が絡むことで進むのか進まないのか、どうなるのだろう?

結婚した新郎新婦は、いつか香港でLGBTのシンボルである虹の旗が大きく風になびく姿を夢見ているに違いない。

 

Profile

著者プロフィール
マリエ

香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら

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