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イタリアの緑のこころ

石井直子|イタリア

イタリア いつものクリスマス、今年のクリスマス

アッシジ、サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会のプレゼーペ 2020/12/13 photo: Naoko Ishii

家族と食卓を囲んで祝う例年のクリスマス

 カトリック教徒の多いイタリアでは、クリスマスの食事は、大家族がそろって祝うことが多く、普段はミサに行かない人も、大勢が教会のミサに参列します。クリスマスを祝っての食事は、前夜の夕食である場合もあれば、12月25日当日である場合もあり、ペルージャの我が家は後者です。

 例年は我が家では、クリスマスの日に、朝は教会のミサに参列し、昼食を大家族で共にして、食後にプレゼントを交換します。家の中にも、教会と同じように、クリスマスツリーと幼子イエスの生誕場面を再現するプレゼーペを飾ります

 クリスマスの食事のプリモは、スープ入りのカッペッレッティ、小さな帽子の形をした肉詰めパスタで、食後のデザートには、蛇の形をしたウンブリアの伝統的なクリスマスのアーモンド菓子、セルペントーネが、パンドーロやトッローネと共に、食卓に並びます。

前倒しで祝い、両頬のキスとハグなしの今年のクリスマス

 けれども今年は、新型コロナウイルス感染拡大を抑制するための首相令で、12月24日から27日までの4日間は、イタリア全土がレッドゾーンとなり、原則として自らが居住する市外には移動できない上に、クリスマスだからと私宅訪問のためなら同一州内であれば許される移動にも、最大2名までという条件があります。

 そこで今年は義家族の皆と、12月23日に、夕食を共にして、クリスマスを祝いました。高齢の義父母が感染することのないようにと、食事の前と後にはマスクを着用し、また、家族の間では普段なら会ってすぐに、また別れる際にお決まりの、両頬へのキスやハグもなしというクリスマスで、久しぶりに姪たちに会う義父母は寂しい気持ちもあったと思うのですが、互いの距離もきちんと守り、皆が元気でいて、共に祝うことができて、本当によかったです。

 自己宣誓書を携帯すれば、市内にある教会のミサには行くことができたのですが、今年のクリスマスは、わたしたちも義家族も、教会に行かずに、テレビで中継されるミサを視聴しました。

観光地の苦境と今年こそ近づける真のクリスマスの精神

 ウンブリア州には、聖フランチェスコの生地であるアッシジや、世界最大のクリスマスツリーが山の斜面に明かりで描かれるグッビオ(詳しくはこちら)など、クリスマスの時期に観光客が訪れる町が多く、ちょうどその時期にイタリア全土がレッドゾーン、オレンジゾーンとなった今年は、ホテルなどでキャンセルが相次ぎ、特に観光業が大きな打撃を受けていると、今夜の地方ニュースで、報道がありました。

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グッビオ、世界最大のクリスマスツリー 2015/12/26 photo: Naoko Ishii

 今年はクリスマスに向けてのミサの説教で、「厳しく苦しい状況に置かれた今こそ、聖家族が置かれていた状況と、それでも人々が希望を失わなかったことが、実感として感じられるのではないでしょうか」という言葉が聞かれ、だからこそ、真の意味でのクリスマスの精神に触れられる年でもあるという話があり、フランチェスコ教皇は、商業主義に走らずに、苦しむ人に助けの手を差し伸べ、互いに助け合う必要があると訴えていました。

 いつもとは違うクリスマスではあるのですが、規制が功を奏し、また今晩のニュースで「今年の何よりものクリスマスの贈り物」とさえ言う人もあったワクチンの効果もあって、新しい年が、この感染の危機を乗り越えられる、よき年となるよう願っています。

 

Profile

著者プロフィール
石井直子

イタリア、ペルージャ在住の日本語教師・通訳。山や湖など自然に親しみ、歩くのが好きです。高校国語教師の職を辞し、イタリアに語学留学。イタリアの大学と大学院で、外国語としてのイタリア語教育法を専攻し卒業。現在は日本語を教えるほか、商談や観光などの通訳、イタリア語の授業、記事の執筆などの仕事もしています。

ブログ:イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia

Twitter@naoko_perugia

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