大阪・関西万博はちょっと楽しい、でも「外国人向けサービス」「メタンガス」「猛暑対策」に心配も多い
既に2回夢洲会場に行った私には、心配なところがいくつかある。博覧会協会は、最も混んでいる日の来場者は22万人超を見込んでいる。それに合わせて会場の準備をしたと博覧会協会の広報担当者は私に回答した。
ただ、初日の4月13日に14万人が訪れただけでもカオスに近い状況になった。来場者が5万〜6万人の日も一部のパビリオンには長い行列があり、中も混んでいる。来場者が3倍、4倍になったらどうなってしまうのか。
海が近い西口の辺りは、風が非常に強くなるリスクがある。猛暑日なら大屋根リングの上に行くことも危険だと思う。つまり真夏、暴風や大雨や台風の日に行動制限がされないと事故が起きてもおかしくない。
メタンガスの件は既に日本のマスコミが報道しているが、2点指摘したい。メタンガスが出ている西口のトイレの隣に、数十人の小学生が待機しているのを見た。対策が足りていないとしか言えない。
あるパビリオンの担当者と話したところ、博覧会協会からメタンガスについての情報はあまりもらえなかったが、ガス測定器が配られたという。パビリオンの辺りにガスが出ないことが確実なら、測定器を配る必要はないはずなのに。
協会は事前に出展者に対し、詳しいことを意図的に説明しなかったようだ。10月13日まで、深刻な問題や事件・事故がないように祈っている。
西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『フランス人記者、日本の学校に驚く』など。Twitter:@karyn_nishi