日本政府は「省エネ推進」のはずなのに、このままでいいの? 電力の無駄遣い
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<東京の繁華街を歩くと、電力の無駄使いに違和感を覚える。日本は省エネを推進しているはずだが、この状況は放置でいいの?>
渋谷や新宿を歩くと疑問が湧いてくる。なぜかといえば――。
1996年か97年に初めて渋谷のスクランブル交差点を訪れた時は、屋外広告の大型ビジョンが3台あったように記憶している。最近数えたら、なんと10台以上に増加していた。その間に2011年3月の福島第一原発事故があっただけに、大量の電力を必要とするビジョン広告は減るはずだが、逆に数倍に増えてしまった。日本は資源がない国だから、エネルギー供給を安定させるには原子力が必要だと政府はいつも強調している。だが、街を歩くと電気の無駄遣いが目立つ。
9月8日の松野博一官房長官の会見でこの点を聞いてみた。「官房長官は最近、渋谷に行きましたか。街頭の大画面(広告)が10台はあると思います。大型の広告宣伝車も5分ごとに見当たります。政府が本気で節電するつもりなら、こうしたエネルギーの無駄遣いを規制すべきではないか」
回答は次のとおりだった。「まず私はここしばらくは渋谷に行ったことはありません。ご指摘の民間のさまざまな表示、広告等に関しては個別の事業者によって行われているものであり、いま政府としてコメントすることは差し控えるが、省エネの推進は政府として重要なテーマであり、しっかりと取り組んでいきたいと思います。詳細については経産省にお尋ねいただきたい」
民間企業がやっているからコメントができない? 官房長官の考えを聞きたかったし、政府の役割は一体なんなのかと思い、追加質問をした。「全世界がエネルギー危機にあるなかで、電力の無駄遣いを人々は疑問に思うはずだ。特にG7の国として、日本政府は省エネ政策を高く掲げているが、現実と違うのではないか?」
政府は広告業界に遠慮しているのか
松野官房長官はこう答えた。「政府としてはカーボンニュートラルを目指しており、省エネの推進は重要なテーマなのでしっかりと取り組んでいくが、個別の事業に関して政府としてコメントすることは控えたいと思う。先ほど申し上げたが、政府全体としての省エネ対策に関しては経産省にお尋ねいただければと思う」
いつものパターンで、質問には直接答えず、のらりくらりとかわした上に「別のところに聞いてください」とはぐらかす。
そこで経産省の資源エネルギー庁に尋ねたところ、「現段階では、規制などは検討していない。将来的にはなんとも言えない」という消極的な回答を得た。政府は広告業界の反発を招きたくないのかもしれない。
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