コラム

「日本人のセックスレスどう思う?」還暦コラムニストが懸念する本当の理由

2023年07月29日(土)19時00分
周来友(しゅう・らいゆう)(経営者、ジャーナリスト)
セックス

VASYL DOLMATOV/ISTOCK

<夫婦のセックスレスに若者の草食化。性欲だけでなく、気力そのものが今の日本社会に欠けている気がする>

コラムの担当編集者から「日本人のセックスレスについてどう思いますか」と聞かれた。先日還暦を迎えたばかりの私になんてことを聞くのかと思ったが、確かに自分の周りでも、夫婦のセックスレスや若者の草食化といった話はよく聞く。

 
 
 
 
 

セックスレス問題を扱った『あなたがしてくれなくても』というドラマが人気だったらしいが、それも人々の関心の高さ故だろう。

日本人はどのくらい「していない」のだろうか。

日本家族計画協会の調査によると、セックスレス(1カ月の間に1度も性行為がない)夫婦は2004年の約31%から、2016年には約47%に増加(対象は16~49歳)。調査方法を変えた2020年の同協会の調査では、「1年以上していない」人が男性で約41%、女性では約50%もいる(調査対象は20~69歳で既婚・未婚を問わない)。

国際比較では、少し古いがデュレックス社による2005年の調査「グローバル・セックスサーベイ」が有名だ。セックスの頻度を問う質問で、1年間に45回という日本は調査対象41カ国の中で最下位だった。1位はギリシャで138回。日本は世界平均103回の半分以下である。

結婚前の若者たちもしていない。内閣府が昨年発表した男女共同参画白書によれば、20代男性の7割、20代女性の5割が「配偶者、恋人はいない」状態で、20代の独身男性については、4割がデートの経験すらないという。

恋愛に興味がなく、性行為の経験がない「草食系」が日本で増えているのは、1974~17年に実施された「青少年の性行動全国調査」からも明らからしい。

20代前半で来日した私は、デートをする時間もお金もなかったが、決して草食ではなかった。日本語学校のクラスメイトだった北京出身の女性といい仲になったこともあるし、雑誌・新聞を配送するアルバイトをしていたときは、配達先のコンビニで働いていた女性を好きになった。

「私が中国語を教えるから、日本語の会話相手になってくれないか」とラブレターを渡したものの、見事に振られてしまったけれど。そしてその後結婚し、4人の子供をもうけている。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコ・ギリシャ首脳が会談、ハマス巡る見解は不一致

ワールド

ロシア軍、北東部ハリコフで地上攻勢強化 戦線拡大

ビジネス

中国、大きく反発も 米が計画の関税措置に=イエレン

ビジネス

UBS、クレディS買収後の技術統合に遅延あればリス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子高齢化、死ぬまで働く中国農村の高齢者たち

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 6

    自宅のリフォーム中、床下でショッキングな発見をし…

  • 7

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    あの伝説も、その語源も...事実疑わしき知識を得意げ…

  • 10

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story