日本は「非魅力的」な旅行先...海外の超富裕層がガッカリする理由とは?
私は格差の小さい、均質化した日本を悪いとは思わない。人口のほんの数%に満たない人たちが国の総資産の大部分を持つ、などという国で暮らしていくのは、富裕層でもない限り大変そうだ。ましてやこのSNSの時代、セレブと言われる人たちの豪勢な暮らしを携帯の中で見せつけられながら、その月の生活費を算段して暮らすのは随分メンタルに悪そうである。
だがコロナ禍がやっと終わろうとしている今、日本はもっとインバウンドを呼び込み、大きなお金を落としてくれる外国人客を待望している。佐世保や大阪に統合型リゾート(IR)を誘致しようという計画もその一端だ。そして大金を落とす外国人客は強欲でワガママだ。彼らのために、日本はどこまでルールを曲げ、金のためにプライドを捨ててニコニコできるだろうか。札束で頰を張るようなことをされたことのない日本人にとって、インバウンドのカルチャーショックはこれからが本番だろう。
石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」 Twitter:@IshinoShahran

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