最新記事
西アジア

止まらぬ報復空爆...パキスタンとアフガンの衝突が示す「テロ再拡大」の危機

2026年3月2日(月)16時12分
ウメール・ジャマル (ジャーナリスト)

そもそもパキスタンにとって、この停戦は仲介国のメンツを立てる名目的なものにすぎなかった。しかもアフガニスタンのタリバン政権は停戦合意に含まれるTTPへの支援停止や国外追放に応じる気配を見せず、結果としてTTPによるパキスタンへの攻撃は激しさが増していた。

そして2月6日のモスク襲撃では礼拝中の31人が死亡、約170人が負傷した。こうなるとパキスタン側も事態を座視できず、アフガニスタン領内にあるテロ組織の拠点をたたく決断を下したらしい。


米軍の撤退を受けて21年に復権したタリバンが、今なおTTPのような武装勢力を保護しているというパキスタン側の主張には一定の根拠がある。

例えばロシア外務省は2月23日、アフガニスタン国内にはさまざまな国際テロ組織の戦闘員が2万~2万3000人ほど存在し、その半数以上は外国籍だと指摘した。その内訳は、TTPが5000~7000人、過激派組織「イスラム国」(IS)系が約3000人、アルカイダ系が400~1500人などとされる。

2月初めに出た国連安全保障理事会の報告書も、TTPはタリバン政権に「優遇」されていると指摘していた。この報告書によれば、TTPはアルカイダ系テロ組織などとの連携により活動の範囲を広げており、「当該地域を超えた脅威」になりつつある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

イラン情勢で中東の投資銀行事業に暗雲、金融機関に出

ワールド

サウジアラムコ、ラスタヌラ製油所を停止 ドローン攻

ワールド

イスラエルがイランに新たな攻撃、「米と交渉せず」と

ワールド

ホルムズ海峡巡る状況、存立危機事態などには該当せず
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医師が語る心優先の健康法
  • 4
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 5
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 6
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 7
    【銘柄】「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...…
  • 8
    「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応
  • 9
    【銘柄】「ファナック」は新時代の主役か...フィジカ…
  • 10
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 10
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中