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同盟国まで波及した「新・トランプ外交」――「強さが支配する世界」に直面するヨーロッパの本音

RESETTING THE WORLD

2026年2月5日(木)19時32分
トム・オコナー (本誌米国版外交担当副編集長)

デンマークのフレデリクセン首相はグリーンランド領有権に意欲を示すトランプを強く批判している AP/AFLO

デンマークのフレデリクセン首相はグリーンランド領有権に意欲を示すトランプを強く批判している AP/AFLO

強さや権力が支配する世界

そのメッセージはキューバやカナダ、さらにはNATOの同盟国であるデンマークにもこだましている。トランプは、デンマークの自治領グリーンランドの領有権獲得に意欲を示している。1期目に言及したときには一笑に付されただけだが、今は違う。

エイブラハム・リンカーン大統領の時代に、アラスカ購入に尽力したウィリアム・スワード国務長官も当時は大いに笑われたものだと、シャノンは指摘する。「奇想天外なアイデアでも、実現する道はある」


北極圏に位置する世界最大の島グリーンランドの領有権を獲得するために、アメリカは本当に軍事力を行使するつもりなのか。この問いに対して、スティーブン・ミラー米大統領次席補佐官は「グリーンランドのために、アメリカと軍事的にやり合う国はないだろう」と豪語した。

だが、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は最近、国営放送TV2でアメリカを強く牽制した。

「もしアメリカがNATOの同盟国を軍事攻撃すれば、全てがストップする。NATOも、第2次大戦後に提供されてきた安全保障もだ」

1867年のアラスカ購入は、大いに参考になる事例だ。当時、毛皮獣の狩猟くらいしか用途がない極寒地を(激安とはいえ)ロシアから購入したことは、「スワードの愚行」と嘲笑の的になった。だが、やがて金鉱や油田が発見され、第2次大戦期や冷戦期は重要な軍事拠点となるなど、アラスカは大きな戦略的価値を持つ場所になった。

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