高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?

WHAT’S IN A WORD?

2026年1月30日(金)16時25分
グレン・カール (本誌コラムニスト、元CIA工作員)

気が付けば中国の共産主義は習の個人崇拝に変質し、個人の権利は国家の優越に従属させられ、治安と安保が最優先の国になっている。だからこそ中国側は高市発言に食い付き、日本を悪者にすることで国民の不満のガス抜きを図った。

つまり、高市首相の発言も日本の政策も正しいが、国内外の複雑な力関係が錯綜するなかで条件反射的な反発を招いたと言える。

中国に限った話ではないが、他国の動きを読み解き、その理由を分析するのは諜報部員や外交官にとって実に悩ましい仕事だ。しかし国家指導者の仕事に比べれば気楽なものだ。

キューバのカストロ政権転覆を狙ったアメリカの秘密工作が大失敗に終わり白日の下にさらされたピッグス湾事件(1961年)の後、前大統領のアイゼンハワーは現職のジョン・F・ケネディに告げていた。指導者のところまで上がってくるのは真の「難題」だけなのだと。

衝突を避ける基本戦略とは

高市発言に対する中国側の反応から見て取れるのは、日本の戦略的ジレンマと日本の指導者が避けて通れない「難題」だ。

中国の存在感が増し、アメリカが頼りになるとは限らず、小さな計算違いで何が起きるか分からぬ地域にあって、平和国家の日本が徐々に孤立しかねない状況で、いかに日本の主権を守り抜くかという問題である。

この点に関して、日本の歴代の政権は(そして今のところは高市政権も)望み得る限りの一貫した戦略と政策を追求してきた。

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