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「力が支配する世界」へ回帰? トランプ「私に国際法は必要ない」発言の意味

TRUMP’S ANTI-MORAL MORALITY

2026年1月20日(火)18時45分
ピーター・シンガー (プリンストン大学生命倫理学名誉教授)
古代ギリシャのトゥキディデス像

「力の正義」を記録した歴史家である、古代ギリシャのトゥキディデス像 sianstock/Shutterstock

<ベネズエラの統治をめぐる問題は、いまや一国の内政ではない。国益を掲げるのは自由だが、力の論理に世界を委ねていいのか>

アメリカがベネズエラの首都カラカスに軍事攻撃を仕掛け、100人を殺害し、マドゥロ大統領と妻のシリア・フロレスを拘束した2日後、ミラー米大統領次席補佐官がCNNのニュース番組に出演した。

アメリカはベネズエラの統治を管理するつもりなのか、という問いに対するミラーの答えは、トランプ米大統領の統治哲学を完璧に反映するものだった。


「国際関係であれこれきれい事を並べるのは結構だが、この世界は強さが支配する世界だ。力が支配する世界、パワーが支配する世界だ」と、ミラーは言い放った。「これは太古の昔から続く世界の掟だ」

CNNで語るミラー米大統領次席補佐官

3日後、今度はトランプ自身がニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに応じた。この中で記者が、「世界の舞台であなたのパワーを抑制するものは存在するのか」と問いかけると、トランプは「1つある」と答えている。

「私の道徳観だ。私を止めることができるのは、それだけだ。すごくいいことだね」

「国際法は?」と食い下がる記者に対し、トランプは「私に国際法は必要ない」と答えた。「誰かを傷つけようとしているわけではないのだから」

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