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中東情勢

イランの体制転換は秒読み? イラン国民が「打倒ハメネイ」で団結、怒りの連鎖が止まらない理由

The Wave of Protests in Iran

2026年1月14日(水)18時30分
サイード・ゴルカー(米NPO反核イラン連合上級顧問、テネシー大学チャタヌーガ校准教授)、ジェイソン・ブロツキー(反核イラン連合理事、中東問題研究所研究員)

アミニの追悼行事や女性による抵抗活動が示すとおり、22年の精神は生きている。しかし運動の重心は社会改革から体制転換に移った。

歴史を見れば、経済への不満が社会を巻き込む政治運動へと発展し大変革を起こした例はある。1979年のイラン革命でも決定的な役割を果たしたのは商人階級だった。


抗議が農村や労働組合に広がれば、息の長い反政府運動に成長し体制を揺るがす可能性はある。政府もそのリスクを理解しているからこそ抗議者に対話を約束し、12月には中央銀行総裁を辞任させた。

だがどちらも見せかけの小細工、ガス抜きにすぎない。根本的な問題はハメネイと体制構造にあり、マスード・ぺゼシュキアン大統領に打つ手はない。この権力構造をよく知るが故に、人々は体制の打倒を呼びかけているのだ。

カギは社会の団結にあり

セイエド・アッバス・アラグチ外相をはじめ外交筋は、トランプ政権との対話の糸口を探っている。対米交渉を長引かせるだけでも通貨の暴落を食い止め、軍事攻撃を防げるかもしれない。

アメリカの要求──ウラン濃縮の完全停止とミサイル制限──をイランが受け入れる見込みは、極めて低い。

抗議活動が盛んな状況で、イランが対外姿勢を軟化させた例はない。民主化運動「グリーン革命」が起きた09 年、政府はテヘランの医療用原子炉をめぐる外交的提案を拒否。22年には、アメリカに打診された包括的共同作業計画(JUPOA)の再開を蹴った。

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