「DMZ(非武装地帯)」か「FEZ(自由経済圏)」か...ウクライナが面子を失わない「ドンバスの未来」とは?
ドンバス地方で戦闘任務に就くウクライナ陸軍の砲兵部隊(25年12月11日) DMYTRO SMOLIENKOーUKRINFORMーNURPHOTOーREUTERS
<難航する緩衝地帯の設置。歴史を振り返っても、お手本になる先例は数少ない──>
ウクライナ政府が厳しい選択を迫られている。ロシアによるミサイル攻撃に耐え続けるのか、それとも領土の一部をロシアに譲り渡すのか、という選択だ。
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ウクライナ政府は、将来にわたる「安全の保証」を確約されれば、ロシアに占領されている領土を手放す余地がありそうだ。しかし、東部のドンバス地方の一部地域については、自国領として保持し続けようとしている。
少なくとも、この地域をロシア領として認めたり、領有権を放棄したりすることは避けたい。
ドンバス地方の多くはロシア軍に制圧されているが、この地方の10~15%は、現在もウクライナ軍が守り抜いている。しかし、ロシアのプーチン大統領は、この地域の支配権を認められることを和平交渉の条件としている。
ウクライナ軍支配地域とロシア軍支配地域の間に緩衝地帯を設ける方策として、2種類の案が浮上している。
トランプ米政権は、この地域を「非武装地帯(DMZ)」と位置付けて、ウクライナ軍を撤収させ、ロシア領として国際的に認めるという案を提案しているようだ。ウクライナはこの案を不公正だと考えている。ロシアが現在の支配地域から軍を撤収させることは要求されないからだ。






