最新記事
世代間格差

日本も他人事ではない...世界で広がる富の世代間格差、「市場の忍耐の限界」はどこにある?

THE GREAT BOOMER BAILOUT

2025年11月28日(金)12時20分
ヘスス・メサ、アニタ・パウエル

「なぜ債務危機について議論するのか」。多国間機関が発している警告について、元IMF職員のティト・コルデッラに質問すると、こう聞き返された。ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)ボローニャセンターで開発経済学を教えているコルデッラは、債務の力学は「厄介」だが、自分が最も懸念するのは政治の力学だと語る。

「どんなものでも給付や社会プログラムを削減することは非常に難しいが、その一方で、増税を望む声はほとんどない。統計の提示の仕方が議論を混乱させている。1兆ドルは多額だと言えるが、では、何に対して多額なのか」


数字と政治のせめぎ合い

テキサス大学オースティン校のレイチェル・ウェルハウゼン教授は、巨額な債務の数字は否定はしないが、対GDP比だけに注目するのは論点がずれていると語る。「政府は家計とは違う。65歳までに住宅ローンを完済しなければならないわけではない。債務を無限に借り換えても、自国通貨が信頼されている限り、そのシステムは機能する」

ウェルハウゼンが最も重視するのは信頼だ。つまり、支払いが履行されて、制度が維持され、政治は約束をほごにしないと、投資家が信じるかどうかだ。「赤字は単なる帳簿上の数字ではない。誰に課税するか、何に支出するかという選択を反映している。『これは財政的に無理だ』と言いながら、何を削減して何を増やすのかを具体的に示さないのは、政治であって経済学ではない」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ベトナム共産党、ラム書記長を再任 結束を維持すると

ビジネス

仏総合PMI、1月速報48.6 予想外の50割れ

ワールド

インドとEU、27日に貿易交渉妥結を発表へ=関係筋

ビジネス

エリクソン、第4四半期利益が予想上回る 自社株買い
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 8
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 9
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 10
    コンビニで働く外国人は「超優秀」...他国と比べて優…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 10
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中