最新記事
米中首脳会談

韓国で行われた米中首脳会談、具体的な合意内容は?

2025年10月31日(金)10時00分

中国、米国産大豆購入を約束

ベセント米財務長官は、中国が本会計年度(2025年2月―26年1月)に1200万トンの米国産大豆を購入することで合意し、その後の3年間に毎年2500万トンを買うことを約束したと発表した。

中国は9月に米国産大豆の購入が皆無となり、今年秋には買うのをほぼ取りやめ、代わりにブラジルとアルゼンチンから調達していた。この動きはトランプ氏の重要な支持基盤である米国の農家に経済的打撃を与えることで、中国が貿易交渉を有利に運ぶ効果をもたらした。

しかしアナリストらは、中国が今回約束した米国産大豆の購入は、以前の購入量と同水準に戻すのに過ぎないと指摘する。米国は24年、中国に対して2700万トン弱の大豆を輸出した。中国は20年の第1次トランプ政権との「第1段階」貿易合意で大豆購入を大幅に増やすことを約束したが、新型コロナウイルスの流行を受けて購入量は目標を下回っていた。

トランプ政権、新たな港湾使用料を一時停止

トランプ政権は中国で建造され、中国が所有する中国船籍の船舶に対する新たな港湾使用料の徴収を1年間停止することに合意した。この使用料は、米国の港湾へ航海するたびに数百万ドルのコスト増となる可能性がある。この使用料は、造船・海上輸送・物流分野の世界市場で中国が持つ支配力に対抗し、米国の商用造船業を活性化させる目的で導入された。中国製岸壁クレーンへの100%の輸入関税とともに今年10月14日に発効した。

使用料は貨物輸送の流れを直ちに混乱させ、荷主が中国関連の船舶を避ける動きはコンテナ運賃を押し上げている。中国も対抗し、米国側の出資比率が25%以上の海運世界大手を含めた米国関連船舶に対して独自の使用料を課している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2025トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



日本企業
タイミーが仕掛ける「一次産業革命」とは? 農家の「攻めの経営」を後押しするスキマバイトの可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反発、アマゾンの見通し好感 WBDが

ビジネス

米FRBタカ派幹部、利下げに異議 FRB内の慎重論

ワールド

カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブルージェ

ビジネス

NY外為市場=ドル/円小動き、日米の金融政策にらみ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 7
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 8
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中